第62回日本呼吸器学会学術講演会

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会長挨拶

 第62回日本呼吸器学会学術講演会は、令和4年4月22日(金曜日)から24日(日曜日)にかけて、国立京都国際会館にて開催させていただきます。伝統ある本会を主宰させていただくこと、大変光栄に存じます。現在はCOVID-19が蔓延中で、ワクチン接種が進んでいるとはいえ、海外を含めて会期の春頃がどうなっているのか見通せない状況です。完全な形ではないにしても国内はコロナ以前と同様の現地開催ができると期待しつつ、しかしニューノーマルはhybrid開催と考えて、粛々と準備を進めているところです。

 テーマは「ウェルビーイングを目指す呼吸器病学」としました。ウェルビーイングとは、簡略に言えば身体的のみならず、精神的あるいは社会的にもいい状態にあることであり、まさにCOVID-19はウェルビーイングが侵される重大な感染症だと実感します。一方、ウェルビーイングは個別的であり、個々の価値観を尊重し、何がその人にとって良いことかを考えることも必要です。ウェルビーイングを考えるとき、目の前の患者は病院に通い、なんとなく“正しい”EBMに基づいた治療を受けているが、果たしてhappyなのだろうか?と自問せねばなりません。個別化された患者中心の医療、また高齢者など多病患者の治療を考える際の基礎でもあると思います。

 最近はSDGsの中にも含まれ、ウェルビーイングは「幸せ」と訳されることもあります。日本は平和で、豊かな文化を持ち、物価も安く、コロナ禍にあっても他国に比べても緩やかな対策で感染者・死亡者も少なく、素晴らしい国だと思えます。にもかかわらず、日本は世界幸福度ランキング(2020)では62位/153か国だそうです。日本人の特質と幸福、ウェルビーイングのための0次予防社会なども考える講演会にしたいと思います。さらに、産業革命が多くの労働を奪ったように、AIが発展した未来の医師の役割も変化し続けると思えます。そんな社会的側面も考えたいと思います。

 現在、プログラムは検討中ですが、個々の患者のウェルビーイングを目指すべきだという基本に立ち返って、呼吸器病学の枠を超えて、ウェルビーイングを考える機会になればと考えています。もちろん、学術的な交流の場としての総会であり、現在、本学会を含め新型コロナウイルス感染症の後遺症研究も進んでおり、その成果も討論できればと思います。また、状況が許せば、学生研修医のためのプログラム、呼吸器版「ことはじめ」も開催したいと思います。是非皆様の積極的なご参加をお待ち申し上げます。

第62回日本呼吸器学会講演会 会長
高知大学 呼吸器・アレルギー内科 教授
横山彰仁

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