会長挨拶
学術講演会 開催にあたって
この度、2021年4月23日(金曜日)・24日(土曜日)・25日(日曜日)の3日間、東京国際フォーラム(東京都千代田区)において、第61回日本呼吸器学会学術講演会を開催させていただくことになりました。日本呼吸器学会は、呼吸器疾患全般の研究・臨床・教育の発展と推進を目的に発足、本邦の呼吸器学の向上に大きく寄与し、現在、会員数は1万2千名を超えるなど、着実な発展を遂げて参りました。この学会の大切な学術講演会の会長を拝命し、大変光栄に存じております。
現在、呼吸器学では大きな変化が見られています。「分子標的治療による個別化治療」、「画像技術」、「内視鏡診断・治療」、「ゲノム医療技術」など、急速に進歩している状況で、同時に、「網羅的研究手法」、「遺伝子編集」、「バイオインフォマティックス」等、新たな手法を用いた基礎研究の領域での急速な進展も見られています。それらが相まって、一層のダイナミックな展開が期待されています。さらに、仮想現実、拡張現実、人工知能、ロボット工学などの工学テクノロジーの領域の進歩が見られ、新たな医学、医療の未来が開かれようとしています。一方で、世界は、COVID-19感染のパンデミックを経験し、新たな感染症の蔓延に対する最善の対応を求められています。
このような時代の変化の中で、今回の学術講演会におきましては、「人のはたす役割 - Humanity centered Respiratory medicine -」をメインテーマとし、呼吸器疾患の診療に関わる多分野の方々に参加頂ける学術講演会を目指し鋭意準備を進めているところであります。基調講演、招請講演は、ロボティックス、人工知能、ウイルス、感染症対策などの専門家にお願いしております。また、「工学技術の進歩と医療」、「Big-deta(AI含む)時代の呼吸器診療」、「新テクノロジーと人の空間」、「新型コロナウイルス感染—1年の総括—」、「合併症のある症例の呼吸器疾患薬物治療」などの会長企画シンポジウムを企画しました。
それぞれの領域における大家、気鋭の皆様が一同に会し、前述の多くの問題の解決など、豊富な果実が収穫できるよう、できる限りの「場」を提供できればと思います。皆様におかれましては、是非、多数の演題ご応募と学会へのご参加をお願い申しあげます。
第61回日本呼吸器学会学術講演会 会長
弦間 昭彦(日本医科大学 学長)