新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)

関係論文

呼吸器学会関連論文

case reportPost-coronavirus disease-2019 organizing pneumonia confirmed pathologically by video-assisted thoracoscopic surgery
著者名 Sugino K, Ono H, Ando M, et al
雑誌名 Respirol Case Rep
年;巻:頁 2021 Oct 28;9(12):e0871.
紹介文 重症新型コロナウイルス肺炎後の肺障害の患者2例を提示.いずれも胸腔鏡下肺生検を施行し,Fibrotic NSIPやOPパターンなどの所見を認め,長期のステロイドおよび免疫抑制薬による治療を施行.1例は抗線維化薬であるニンテダニブも併用し,2症例ともに改善を認めている.本症例の臨床経過及び病理所見から,重症例においては長期の抗炎症療法や抗線維化薬の併用投与の必要性が示唆された.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34745634/
Original ArticleImpact of Coronavirus disease 2019 on Respiratory Care in Japan: A nationwide survey by the Japanese Respiratory Society
著者名 Yamane M, Yokoyama A, on behalf of the Japanese Respiratory Society
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2022年 in press
紹介文 Coronavirus infectious disease 2019 (COVID-19)によって呼吸器内科医師の診療業務量の増加や精神的負担について指摘されている.COVID-19による呼吸器内科の診療への影響について評価し,診療の変化について明らかにするためにアンケート調査を実施した.COVID-19により呼吸器内科の外来患者数は82%の施設で減少し,入院患者数は71%の施設で減少した.一方で16%の施設はCOVID-19患者により入院患者数が増加した.呼吸器疾患の中ではCOVID-19以外の肺炎,気管支喘息,chronic obstructive pulmonary disease (COPD) の入院患者数が減少した.63%の施設でCOVID-19による診療業務量の負担を指摘していた.
Original ArticleThe effect of the outbreak of COVID-19 on respiratory physicians and healthcare in Japan: Serial nationwide surveys by the Japanese Respiratory Society
著者名 Kamada K, Konno S, Kaneko T, et al
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2021 Jul 31;S2212-5345(21)00119-2.
紹介文 背景:COVID-19のアウトブレイクが日本の呼吸器内科医の業務に与えた影響はこれまでに評価されていないため経時的に調査し、今後対処すべき問題点を明らかにした。
方法:848施設を対象に、アンケート調査を実施した。調査は32の質問と4つのセクションで構成され計4回施行した。
結果:平均回答率は24.9%で、502施設(59.2%)が少なくとも1回の調査に参加した。診断のためのPCR検査が可能な施設の割合は上昇したが体外式膜酸素療法(ECMO)や5台以上の人工呼吸器を管理できる割合は上昇しなかった。また、150%以上の過重労働、PPE(個人防護具)不足に伴うストレス、周囲からのハラスメントは十分に改善されなかった。
結論:重症患者管理体制の拡充は進んでいない可能性がある。COVID-19に関する呼吸器内科医の過重労働、PPEの不足、ハラスメントや差別に関しても早急に対処する必要がある。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34446400/
Rapid CommunicationThe prevalence of comorbid respiratory disease among COVID-19 patients, and mortality during the first wave in Japan: A nationwide survey by the Japanese Respiratory Society
著者名 Nagase H, Nishimura Y, Matsumoto H, et al
Japanese Respiratory Society, Scientific Assembly for Allergy, Immunology, and Inflammation.
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2021 Sep;59(5):679-682.
紹介文 COVID-19患者における慢性肺疾患、特に気管支喘息(BA)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎(ILD)を有する患者でのSARs-CoV-2感染の影響や予後を報告した論文である。全国調査で集められた1444名のCOVID-19患者において、BA,COPD, ILDを有する患者は3.4%、4.8%、1.5% 存在した。その中でそれぞれ12.2%, 18.8%, and 36.4%, の患者が増悪し、死亡率は4.1%, 13.0%, and 31.8%,であった。(全体の死亡率は6.2%)。BAに関してはCOVID-19患者での割合は一般人口での割合と変わらず、また死亡率も特に高い傾向が見られなかった。一方でCOPDやILDではSARS-CoV-2感染での重症化が示唆され、特に厳重な感染対策が必要であろう。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34303646/
Rapid CommunicationIncreased usage of the high flow nasal cannula in COVID-19 cases in Japan -from the online questionnaire survey by the Japanese Respiratory Society.
著者名 Tomii K, Terada J, Chin K.
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2021 Sep;59(5):666-669.
紹介文 呼吸器学会呼吸管理部会で行ったCOVID-19に対するHFNC, NPPV, CPAP使用に関する2回のインターネットアンケート調査の解析。対象は呼吸器専門プログラムを有する施設でHFNCの使用経験は第1波後で12%だったが、第3波中では49%に増加した。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34162526/
StatementStatement from the Japanese Respiratory Society: Working diagnosis and initial management of COPD during the COVID-19 pandemic
著者名 Shibata Y, Muro S, Yokoyama A, et al
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2021 Jul;59(4):385-388.
紹介文 COVID-19患者の増加によってSARS-CoV-2の飛沫感染が危惧されたため、初期COPD診断に不可欠なスパイロメトリー検査が施行しづらい状況となった。これに対して日本呼吸器学会内のワーキンググループより診断にフローチャートが示された。すなわちCOPDを示唆する症状や所見のチェックの後、スパイロメトリー検査を施行せずに、COPDとして予想された重症度に応じた吸入治療を導入開始し、1~4週間後に評価するというものである。閉塞性呼吸障害が強く示唆される場合はCOVID-19感染状況が落ち着いてからのスパイロメトリー検査施行が推奨された。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33893068/
COVID-19 associated pulmonary aspergillosis: A nationwide survey by the Japanese Respiratory Society
著者名 Takazono T, Mukae H, Izumikawa K, et al
雑誌名 ERJ open research
年;巻:頁 in press
紹介文 (背景・目的)重症COVID-19において、COVID-19関連肺アスペルギルス症(CAPA)が20-30%と高率に合併するという報告が欧米を中心になされているが、いずれも単施設や小規模の研究に限られている。本研究の目的は、日本呼吸器学会関連施設へのアンケート調査でCAPAの疫学調査を行うことにある。(方法)日本呼吸器学会関連施設に対して、CAPAに関連する情報をGoogle formを使ってアンケート調査を2021年1月28日〜2月28日にかけて行った。(結果)198施設からの回答があり、1664例の人工呼吸器管理症例のうち、CAPAの合併例は9例(0.54%)と低頻度であった。(結論)CAPA合併頻度は欧米の報告ほど高率ではない可能性がある。
Empirical antibiotic usage and bacterial superinfections in COVID-19 patients in Japan: A nationwide survey by the Japanese Respiratory Society
著者名 Takazono T, Mukae H, Izumikawa K, et al
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 in press
紹介文 日本呼吸器学会関連施設に対して、COVID-19に対するエンピリックな抗菌薬使用や、細菌の重複感染に関連する情報をGoogle formを使ってアンケート調査を2021年1月28日〜2月28日にかけて行った。対象症例は、パンデミックの始まりから2021年1月27日までのCOVID-19確定症例とした。
715施設中198施設からの回答が得られた。エンピリックな抗菌薬の使用は、51%の施設で実施されていた一方で、中等症以上のCOVID-19で市中肺炎、院内肺炎(人工呼吸器関連肺炎)、敗血症(菌血症)の合併例は、それぞれ 2.86, 5.59, and 0.99%と比較的低率であった。
一般細菌感染の重複は限られており、分離される菌もCOVID-19に特異的なものではなかった。

原著論文

Original ArticleLow humoral immune response to the BNT162b2 vaccine against COVID-19 in nursing home residents undergoing hemodialysis: a case-control observational study
著者名 Kitamura M, Takazono T, Yamamoto K, et al
雑誌名 Ren Replace Ther
年;巻:頁 2022;8(1):8.
紹介文 高齢施設入所の血液透析患者では、有意に BNT162b2 ワクチン2回接種後のSARS-CoV-2 IgG抗体価が医療従事者コントロールと比較し低かった。年齢による影響も考えられ、今後の検討が望まれる。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35308296/
Original ArticleFavorable Humoral Response to Third Dose of BNT162b2 in Patients Undergoing Hemodialysis
著者名 Kitamura M, Takazono T, Yamaguchi K, et al
雑誌名 J Clin Med
年;巻:頁 2022 Apr 8;11(8):2090.
紹介文 血液透析患者では、2回目接種後までは有意に医療従事者コントロールと比較し有意にSARS-CoV-2 IgG抗体価が低かったが、ブースター接種(3回目)後には、両群間に有意差はみられなかった。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35456182/
LetterMacrophage activation syndrome after BNT162b2 mRNA vaccination successfully treated with corticosteroids
著者名 Ashizawa N, Takazono T, Umeda M, et al
雑誌名 Clin Exp Rheumatol.
年;巻:頁 2022 May;40(5):1060.
紹介文 BNT162b2 ワクチン2回接種後の健常者が、高熱、血小板減少、DIC、高度の肝逸脱酵素上昇のため、精査を行い、マクロファージ活性化症候群の診断で、ステロイドパルス療法等を行い軽快した。IL-6, IL-18の高度上昇を伴っており、重症COVID-19と同様なサイトカインの動きをみせていた。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35084316/
Original ArticleSystemic adverse effects induced by the BNT162b2 vaccine are associated with higher antibody titers from 3 to 6 months after vaccination.
著者名 Koike R, Sawahata M, Nakamura Y, et al
雑誌名 Vaccines (Basel)
年;巻:頁 2022, 10, 451
紹介文 国立病院機構宇都宮病院呼吸器・アレルギー内科の研究グループは、新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) に対するファイザー製ワクチン(BNT162b2)の2回目接種を受けた同院の職員を対象に前向きコホート研究を実施。接種から3カ月後のSARS-CoV-2スパイク蛋白に対する抗体価を評価した結果、高齢者や喫煙者で顕著に低下することを明らかにした。ワクチン接種前の禁煙によりワクチンの有効性が改善する可能性がある。また、予備的な研究から、50歳以上の人に対しては6カ月~1年後に本ワクチンの追加接種が必要である可能性も示された。
PubMedリンク https://www.mdpi.com/2076-393X/10/3/451
Original ArticleShort-Term Safety of an Anti-Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 Messenger RNA Vaccine for Patients with Advanced Lung Cancer Treated with Anticancer Drugs: A Multicenter, Prospective, Observational Study
著者名 Tamura T, Ninomiya K, Kubo T, et al.
雑誌名 Thoracic Cancer
年;巻:頁 2022 Feb;13(3):453-459.
紹介文 がん薬物療法を受けている進行肺がん患者を対象に、SARS-CoV-2ワクチン接種の安全性を評価した。
進行肺がんに対してがん薬物療法を受けており、SARS-CoV-2ワクチン接種を予定している患者を前向きに登録し、ワクチン接種後7日以内の初期有害事象をPROを用いて評価した。PROを回収できた症例のうち早期に回収が終了した120例に対し解析を行った。
2回目のワクチン投与後、15.4%の患者が38℃の発熱を示した。この割合は、BNT162b2試験時の健常者よりもわずかに高い。細胞傷害性抗がん薬による治療を受けている患者は高熱になる傾向があった。多変量解析では、男性の性別は発熱頻度が高いことと関連していた。ワクチン接種による重篤な有害事象は認められなかった。
SARS-CoV-2ワクチン接種は安全ではあるが、肺癌治療中の患者ではワクチン接種後の発熱が多い傾向があった。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34964270/
Original ArticlePrevalence of COVID-19 Mimics in the Emergency Department.
著者名 Kurihara S, Nakajima M, Kaszynski RH, et al
雑誌名 Internal Medicine
年;巻:頁 2021 Oct 1;60(19):3087-3092.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34334560/
Original ArticleAbnormal pulmonary function and imaging studies in critical COVID-19 survivors at 100 days after the onset of symptoms.
著者名 Miwa M, Nakajima M, Kaszynski RH, et al
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2021 Sep;59(5):614-621.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34148855/
Original ArticleAdverse reactions to BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine in medical staff with a history of allergy.
著者名 Inoue S, Igarashi A, Morikane K, et al
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2022 March, 60, 2, 248-255
紹介文  2021年3月から8月に山形大学医学部職員、学生に対しBNT162b2mRNA COVID-19ワクチン接種を行い、1回目1586人、2回目1306人から回答を集計した。
接種部疼痛、腫脹、発熱、疲労や倦怠感、頭痛、悪寒、嘔気、接種部以外の筋肉痛、関節痛につき調査し、2回目で頻度、症状持続期間や重症度が高く、女性、若年者で発生頻度が高かった食物や薬剤のアレルギー歴、アレルギー疾患歴、アナフィラキシー歴、ワクチン接種後の副反応歴を有する人は、多くの副反応で頻度が高かった。一部の副反応ではその副反応の持続期間が長いものや、副反応の重症度が高いものが見られたが、全体の傾向として大きな差は認めなかった。
本結果が食物や薬剤に対するアレルギー歴、アレルギー性疾患歴、アナフィラキシー歴、ワクチン接種後の副反応歴を有する方へのワクチン接種への有用な情報になると考える。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34920980/
Original ArticleComparative Efficacy of Tocilizumab and Baricitinib Administration in COVID-19 Treatment: A Retrospective Cohort Study
著者名 Kojima Y, Nakakubo S, Konno S, et al
雑誌名 Medicina (Kaunas)
年;巻:頁 2022 ;58(4):513.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35454352/
Original ArticleReal-world clinical outcomes of treatment with casirivimab-imdevimab among patients with mild-to-moderate coronavirus disease 2019 during the Delta variant pandemic
著者名 Suzuki Y, Shibata Y, Minemura H, et al
雑誌名 International Journal of Medical Sciences
年;巻:頁 2022; 19(5):834-841
紹介文 2020年4月から福島県内の医療機関に入院したCOVID-19患者の臨床情報をデータベースに登録し,その中の2021年7月から同年9月末(デルタ株蔓延期)までのデータを用いて,リアルワールドにおけるカシリビマブ/イムデビマブの効果を検証した.対象は軽症から中等症のCOVID-19患者949名で,カシリビマブ/イムデビマブ投与群(314名)と非投与群(635名)の転帰(入院後の増悪)を比較した.
多変量ロジスティック解析の結果,カシリビマブ/イムデビマブ非投与は入院後の増悪の独立した因子であった(OR 0.448; P = 0.0023).また43歳以上,ワクチン2回未接種,脂質異常症も増悪の独立した危険因子であった.さらにPropensity score matchingによる解析でも,カシリビマブ/イムデビマブ投与群(222名)は非投与群(222名)よりも入院後の増悪が有意に少なかった(7.66% vs 14.0%; P = 0.021).
デルタ株蔓延期のCOVID-19に対するカシリビマブ/イムデビマブの有効性が,日本人を対象としたリアルワールドデータにおいて証明された.
Research, ArticlesPopulation Pharmacokinetic Modeling of GS-441524, the Active Metabolite of Remdesivir, in Japanese COVID-19 Patients with Renal Dysfunction.
著者名 Sukeishi A, Itohara K, Yonezawa A, et al
雑誌名 CPT Pharmacometrics Syst Pharmacol
年;巻:頁 2022;11:94-103.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34793625/
Original ArticleSerum IL-28A/IFN-λ2 is linked to disease severity of COVID-19
著者名 Fukuda Y, Homma T, Inoue H, et al
雑誌名 Scientifi Reports
年;巻:頁 2022 Mar 31;12(1):5458
紹介文 III型インターフェロン(IFN)は、ウイルス感染症において重要な役割を担っている。本研究では, COVID-19において,血清中のIII型IFNの発現が疾患の重症度を予測するかどうかを明らかにすることを目的とした。2020年3月21日から2021年3月31日までの期間に入院した患者257名を対象とした単施設の観察研究である。厚生労働省が策定したCOVID-19の重症度分類に基づき、軽度~中等度Ⅰ(MM)と中等度Ⅱ~重度(MS)に分類された。IL-28A/IFN-λ2の発現は、MM群に比べMS群で有意に低く、IL-6の発現はMS群で有意に高かった(いずれもp<0.001)。さらに、IL-28A/IFN-λ2は、発症からSARS-CoV-2 PCRが陰性となるまでの期間と統計的に有意な逆相関があった(p=0.049)。多変量回帰分析では、IL-28A/IFN-λ2が、重症化の独立した予測因子であることが示された(p = 0.021)。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35361913/
NoteEffectiveness of monoclonal antibody therapy for COVID-19 patients using a risk scoring system.
著者名 Mutoh Y, Umemura T, Ota A, et al.
雑誌名 J Infect Chemother.
年;巻:頁 2022;28(2):352-355.
紹介文 2021年7月-9月までの第5波において、地域全体に重症化リスク順に保健所と協力して抗体カクテル療法(REGN-COV-2)を105例に施行した。その結果、第4波と比較して市中の感染者における入院リスクをを0.10 (95% CI: 0.12-0.53)、重症化リスクをを0.21(95% CI: 0.03-1.24)まで低下させ、早期の抗体カクテル療法は入院と重症化予防に対して極めて高い効果があった。
PubMedリンク https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8629723/
Comparative StudyLocal and systemic responses to SARS-CoV-2 infection in children and adults.
著者名 Yoshida M, Worlock K.B, Huang N, et al.
雑誌名 Nature
年;巻:頁 2022 Feb;602(7896):321-327
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34937051/
Original ArticleEfficacy and safety of mRNA SARS-CoV-2 vaccines in lung transplant recipients.
著者名 Hirama T, Akiba M, Shundo Y, et al
雑誌名 Journal of Infection and Chemotherapy
年;巻:頁 2022 May 17;28(8):1153-8.
紹介文 肺移植患者における新型コロナウイルスワクチンの有効性と安全性
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35599079/
ArticleType 2 inflammation modulates ACE2 and TMPRSS2 in airway epithelial cells
著者名 Kimura H, Francisco D, Conway M, et al
雑誌名 The Journal of Allergy and Clinical Immunology
年;巻:頁 2020 Jul;146(1):80-88.e8.
紹介文 COVID-19感染例において喘息・アレルギー疾患の罹患率が低いことが複数の施設より報告されている。この事象の生物学的機序の検討のため、筆者らは気管⽀鏡下ブラシ擦過にて採取した気管支上⽪細胞をALI 培養下でIL-13にて刺激するex vivo の検討を⾏った。その結果、IL-13刺激下ではSARS-CoV-2 感染の宿主因⼦のACE2とTMPRSS2 にそれぞれ低下、上昇を認めた。また、公共リポジトリから⼊⼿した遺伝⼦発現データセットを用いた検証で、喘息群・特に2 型炎症の⾼い群でのACE2 低下とTMPRSS2上昇、さらに2型炎症関連遺伝子群とACE2・TMPRSS2 との間にそれぞれ負の相関と正の相関が認められ、ex vivo 実験の結果を裏付ける結果となった。これらの知見は喘息・アレルギー疾患がCOVID-19への抵抗性をもたらす機序を解明する基盤となるものと考えられる。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32422146/
ArticlePopulation Pharmacokinetics of Favipiravir in Patients with COVID-19.
著者名 Irie K, Nakagawa A, Fujita H, et al
雑誌名 CPT: Pharmacometrics & Systems Pharmacology
年;巻:頁 2021 Jul 22.
Online ahead of print.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34292670/
ArticleAn infectivity-enhancing site on the SARS-CoV-2 spike protein targeted by antibodies.
著者名 Liu Y, Soh W. T., Kishikawa J, et al
雑誌名 Cell
年;巻:頁 2021 Jun 24;184(13):3452-3466.e18.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34139176/
ArticleNeutralizing activity of Sputnik V vaccine sera against SARS-CoV-2 variants
著者名 Ikegame S, Mohammed N A Siddiquey, Chuan-Tien Hung, et al
雑誌名 Nature Communications
年;巻:頁 2021 Jul 26;12(1):4598.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34312390/
Major ArticlePneumonia Caused by Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 and Influenza Virus: A Multicenter Comparative Study.
著者名 Oi I, Ito I, Hirabayashi M, et al
雑誌名 Open Forum Infectious Diseases
年;巻:頁 2021 May 29;8(7):ofab282.
紹介文 COVID-19の臨床像を、主な病型である肺炎症例に絞ってインフルエンザ肺炎と多施設コホート研究で比較した。両者の違いとして、喘息やCOPDはコロナ肺炎に少なく、好中球/リンパ球比はコロナ肺炎で低く、収縮期血圧はコロナ肺炎で低く、拡張期血圧はコロナ肺炎で高く、ASTはインフルエンザ肺炎で高く、Naはインフルエンザ肺炎で低く、また多葉にわたる肺野陰影はコロナ肺炎で多いという違いがみられた。また予後因子は2群で異なっていた。論文では今回の研究を基にして両者を識別する診断スコアリングシステムも紹介している。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34291119/
Major ArticleRole of Immunoglobulin M and A Antibodies in the Neutralization of Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2
著者名 Klingler J, Weiss S, Itri V, et al
雑誌名 The Journal of Infectious Diseases
年;巻:頁 2021 Mar 29;223(6):957-970.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33367897/
Original ArticleInhibitory effects of glycopyrronium, formoterol and budesonide on coronavirus HCoV-229E replication and cytokine production by primary cultures of human nasal and tracheal epithelial cells.
著者名 Yamaya M, Nishimura H, Deng X, et al
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2020 May;58(3):155-168.
紹介文 ヒト鼻腔粘膜上皮細胞および気管上皮細胞における季節性コロナウイルスおよび炎症性物質のインターロイキン(IL)-1、IL-6およびIL-8の放出が長時間作用性抗コリン薬、長時間作用性β2刺激薬あるいは吸入ステロイド薬によって減少した。これらの呼吸器疾患治療薬によるコロナウイルス感染時の抗炎症効果、抗コロナウイルス効果が示唆された。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32094077/
Original ArticleEfficacy of Chest Radiography as a Primary Care Triage Tool in Severe Coronavirus Disease
著者名 Sasaki H, Kawano S, Ota S, et al
雑誌名 Internal medicine
年;巻:頁 2021 Sep 15;60(18):2911-2917
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34275978/
Original ArticleCharacteristics of COVID-19 patients admitted into two hospitals in sapporo, Japan: Analyses and insights from two outbreak waves.
著者名 Hattori T, Saito A, Chiba H, et al
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2021 Mar;59(2):180-186.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33461939/
Original ArticleEstimation of seroprevalence of novel coronavirus disease (COVID-19) using preserved serum at an outpatient setting in Kobe, Japan: A cross-sectional study.
著者名 Doi A, Iwata K, Kuroda H, et al
雑誌名 Clinical Epidemiology and Global Health
年;巻:頁 Jul-Sep 2021;11:100747.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33898863/
Original ArticleClinical characteristics and outcomes of critically ill patients with COVID-19 in Kobe, Japan: a single-center, retrospective, observational study
著者名 Ito J, Seo R, Kawakami D, et al
雑誌名 Journal of Anesthesia
年;巻:頁 2021 Apr;35(2):213-221.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33484361/
Original ArticleEvaluation of four commercial severe acute respiratory coronavirus 2 antibody tests
著者名 Ashizawa N, Takazono T, Ohyama K, et al
雑誌名 Journal of Infection and Chemotherapy
年;巻:頁 2021 Jul;27(7):1033-1038.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33781691/
Original ArticleSteroid resistance and rebound phenomena in patients with COVID-19.
著者名 Imai R, Ro S, Tomishima Y, et al
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2021 Sep;59(5):608-613
紹介文 COVID-19におけるステロイド治療後のリバウンドとステロイド治療抵抗性の詳細な分析~リバウンド防止のためにはステロイドは発症14日目あたりまで使用するとよい
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34154977/
Original ResearchAssociation between HLA gene polymorphisms and mortality of COVID-19: An in silico analysis
著者名 Tomita Y, Ikeda T, Sato R, et al
雑誌名 Immunity, Inflammation and Disease
年;巻:頁 2020 Dec;8(4):684-694
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33047883/
Original ResearchPhase II Clinical Trial of Combination Therapy with Favipiravir and Methylprednisolone for COVID-19 with Non-Critical Respiratory Failure
著者名 Shindo Y, Kondoh Y, Kada A, et al
雑誌名 Infectious Diseases and Therapy
年;巻:頁 2021 Aug 8;1-17.
Online ahead of print.
紹介文 COVID-19に対する治療法の確立は急務である。本試験は、発症早期の軽度呼吸不全を呈するCOVID-19肺炎患者を対象に、抗ウイルス薬(ファビピラビル)とステロイド薬(メチルプレドニゾロン)の併用療法の有効性と安全性を検討するために行われた。
全国から69例が登録され、主要評価項目の14日間での人工呼吸管理を要するまたは気管挿管基準を満たす割合は29.2%(90% CI:20.1-39.9%、P=0.200)であり、閾値35%と設定した本試験では有効と判断する基準を満たさなかった。副次的評価項目である治療開始30日間の気管挿管または死亡の割合は26.2%、30日死亡割合は4.9%だった。
本併用療法は中等症Ⅱ以上の患者への適用は困難かもしれない。しかし海外のRecovery試験と比較すると、本試験での気管挿管または死亡の割合はほぼ同等、30日間の死亡割合は低いため、さらなる検証が必要である。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34368914/
Brief ReportEarly Differences in Cytokine Production by Severity of Coronavirus Disease 2019
著者名 Tjan L. H., Furukawa K, Nagano T, et al
雑誌名 The Journal of Infectious Diseases
年;巻:頁 2021 April 1;223(7):1145-1149
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33411935/
CommentaryDetection of Representative Mutant Strains and a Case of Prolonged Infection by SARS-CoV-2 with Spike 69/70 Deletion in Japan.
著者名 Takano K, Watanabe Y, Hariu M, et al
雑誌名 Infection and Drug Resistance
年;巻:頁 2021 Jul 6;14:2579-2581.
紹介文 様々なSARS-CoV-2変異株の登場が世界的に注目されているが、わが国の地域においても変異株の浸透は脅威であり、非常に強く、かつ遷延する炎症を呈するCOVID-19患者では特異な変異株に感染している可能性を速報した。アルファ株見られるN501Y変異が当東北医科薬科大学病院患者中では2021年春先までは皆無だった一方、ベータ・ガンマ株で見られるE484K変異が単独で見られるSARS-CoV-2が検出されていた。また、発症18日を過ぎて炎症反応高値、dダイマー上昇が見られたものの、画像所見が乏しいCOVID-19患者からは免疫機構からの回避に働くとみられる69/70アミノ酸欠失株が検出された。非常に稀ではあるが欧米で報告されている特異な変異株がわが国でも存在しうることが示唆され、今後さらに注意すべきである。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34267528/
CommentaryRhinovirus-Infected Patients in the COVID-19 Pandemic Period
著者名 Watanabe Y, Kamioka Y, Seki M
雑誌名 Infection and Drug Resistance
年;巻:頁 2021 Feb 17;14:609-611.
紹介文 わが国ではコロナ禍でインフルエンザ患者が激減した一方、COVID-19以外の発熱患者の受診が著明に増加した。網羅的PCRによるスクリーニングから精査解析すると、インフルエンザウイルスと干渉関係とされるライノウイルス感染症・肺炎患者がその中の多くを占めたことを速報として報告した。すなわち、当東北医科薬科大学病院での151人の外来発熱患者のうち11人でライノウイルス感染が確認され、さらにそのうち9人は成人でかつ元々基礎疾患を有しており、重症化の兆しが見られた。RSウイルス感染症患者の激増も問題となっているが、以前から微生物学的に知られているウイルスーウイルス干渉の存在と、干渉が外れた場合の一方のウイルスの反動的増加が疫学的、臨床的にも示唆された。今後も他ウイルス感染症への一定の注意が必要と言えよう。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33633457/
CorrespondenceDiligent Medical Activities of a Publicly Designated Medical Institution for Infectious Diseases Pave the Way for Overcoming COVID-19: A Positive Message to People Working at the Cutting Edge.
著者名 Nagano T, Arii J, Nishimura M, et al
雑誌名 Clinical Infectious Diseases
年;巻:頁 2021 Feb 16;72(4):723-724
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32474577/
LetterEfficacy and safety of nelfinavir in asymptomatic and mild COVID-19 patients: a structured summary of a study protocol for a multicenter, randomized controlled trial
著者名 Hosogaya N, Miyazaki T, Fukushige Y, et al
Nelfinavir Study Group.
雑誌名 Trials Research
年;巻:頁 2021 Apr 28;22(1):309.
紹介文 (目的)
無症状及び軽症COVID-19患者に対するネルフィナビル(NFV)の抗ウイルス効果、有効性、及び安全性を評価すること
(試験概要)
第Ⅰ-Ⅱ相、医師主導、多施設共同、ランダム化、対症療法群対照(非盲検)、評価者盲検、並行群間比較試験。主な選択基準は、同意取得前3日以内に上下気道検体からSARS-CoV-2が陽性の20歳以上日本人患者であり、主な除外基準は症状出現から8日以上経過している患者、SpO2が96%未満(室内気)の患者等とする。目標症例数は120例(NFV群60例、対症療法群60例)であり、NFV群はネルフィナビル 750 mgを1日3回、14日間経口投与とする。主要評価項目はSARS-CoV-2陰性化までの時間、副次評価項目として臨床的有効性及び安全性を評価する。
(296文字)
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33910617/
Letter to the editorComparison of SARS-CoV-2 detection in nasopharyngeal swab and saliva.
著者名 Iwasaki S, Fujisawa S, Nakakubo S, et al
雑誌名 Journal of Infection
年;巻:頁 2020 Aug;81(2):e145-e147
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32504740/
Letter to the editorAerosol spread with use of high-flow nasal cannulae: a computational fluid dynamics analysis.
著者名 Kobayashi H, Takimoto T, Kitaoka H, et al
雑誌名 The Journal of Hospital Infection
年;巻:頁 2020 Sep 1;106(1):204-205,
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32544507/
Letter to the editorIncrease in humidifier lung cases owing to coronavirus disease 2019
著者名 Shimoda M, Morimoto K, Tanaka Y, et al
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2021 Jun 17;59(5):706-707.
紹介文 加湿器肺とは稀な過敏性肺炎の一種であり、加湿器の水に発生した菌や真菌などを吸入する事により発症する。近年、COVID-19感染の蔓延により在宅で過ごす時間が増え、加湿器の販売台数が急増している事から加湿器肺の発症が懸念された。そこで当院の2011年4月から2021年3月までの過敏性肺炎患者数を調査したところ、加湿器肺症例は2020年12月まで0-2例であったが2021年1月から3月の3か月で4例と多く見られた。そのうち3例は2020年冬に加湿器を使い始めた症例であった。またCOVID-19感染拡大により精査ができず確定診断ができなかった加湿器肺を強く疑う症例が4例もあった。加湿器肺はその他の過敏性肺炎とは特徴が異なり、COVID-19肺炎との画像上の鑑別が難しい可能性がある。今後もCOVID-19の感染拡大により加湿器肺は増加する可能性があるため、加湿器肺の発症リスクと予防の啓蒙が重要である。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34172420/
Letter to the editorSafety management in urgent endonasal trans-sphenoidal surgery for pituitary adenoma during the COVID-19 pandemic in Japan - A case report
著者名 Akai T, Maruyama K, Takakura H, et al
雑誌名 Interdisciplinary Neurosurgery
年;巻:頁 2020 Dec;22:100820.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32835016/
Letter to the editorCOVID-19 cryptic transmission and genetic information blackouts: Need for effective surveillance policy to better understand disease burden
著者名 Nabeshima T, Takazono T, Ashizawa N, et al
雑誌名 Lancet Regional Health Western Pacific
年;巻:頁 2021 Feb;7:100104.
紹介文 COVID-19のパンデミックにおいて、遺伝子的背景の異なる株による再感染もみられている。2020年3月までは日本において流行していた株は中国株であったが、7月にはヨーロッパ株に置き換わっているとされていた。しかしながら、我々は長崎県において流行している株の全ゲノム解析を実施したところ、一部に中国株から独自の変異を遂げた一群があることを証明した。COVID-19の流行を制御する上で、各地域でのゲノム解析をリアルタイムに社会に共有していくシステムの構築が必要である。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33615284/
NoteProlonged viral clearance of severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 in the older aged population
著者名 Ueno A, Kawasuji H, Miyajima Y, et al
雑誌名 Journal of Infection and Chemotherapy
年;巻:頁 2021 Jul;27(7):1119-1121.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33781692/
NoteInvestigation of nasopharyngeal viral load at discharge in patients with COVID-19
著者名 Fukui Y, Kawasuji H, Taekgoshi Y, et al
雑誌名 Journal of Infection and Chemotherapy
年;巻:頁 2021 Jul;27(7):1122-1125.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33853730/
Observational StudyDownregulation of type III interferons in patients with severe COVID-19
著者名 Fukuda Y, Homma T, Inoue H, et al
雑誌名 Journal of Medical Virology
年;巻:頁 2021 Jul;93(7):4559-4563.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33811680/
Rapid CommunicationPolymerase-chain reaction testing to prevent hospital-acquired severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 infection in Shinjuku, an epicenter in Tokyo: The Tokyo Women's Medical University model
著者名 Arimura K
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2021 May;59(3):356-359
紹介文 【背景】SARS-CoV-2院内感染が世界中で問題になっている。
【目的】院内感染を防ぐための徹底したPCR検査に関する有用性を検証した。
【方法】2020年3月から5月まで2,981人の患者が登録された。1群:COVID-19を疑う症状のある外来トリアージ患者442人、2群:COVID-19以外の疾患による予定入院無症状患者2,354人、3群:何らかの症状のため緊急入院した患者185人、4群:1群+3群の有症状患者627人に分けた。標準偏差(SD)、95%credible interval(CI)による各群の有病率比較をした。
【結果】全患者のうち16 人 (0.53%)がSARS-CoV-2陽性であり内訳は1群:8人(0.27 %)、2群: 1人(0.03%)、3群:7人(0.23 %)、4群:15人(0.5%)であった。各群内の有病率は1群:1.81% (SD: 0.68%, 95% CI: 0.95-3.47 %), 2群:0.04 % (SD: 0.001 %, 95% CI: 0.0002-0.2 %)、3群:3.78 % (SD: 1.47%, 95% CI: 1.82-7.26 %)、4群:2.4 % (SD: 0.62%, 95% CI: 1.49-3.82%)であった。
【結論】4群内全てにPCR陽性患者がおり特に症状のある1、3、4群で陽性率が高かった。これまでのところ院内感染は起きていないためこの方法は院内感染を防ぐために有用な可能性がある。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33579647/
Rapid CommunicationThe impact of the COVID-19 pandemic on asthma treatment in Japan: Perspectives based on doctors' views
著者名 Kitazawa H, Hizawa N, Nishimura Y, et al
雑誌名 Respiratory Investigation
年;巻:頁 2021 Jul 6;59(5):670-674.
紹介文 COVID-19の流行が日本の喘息診療に与えている影響に関して、日本呼吸器学会、日本アレルギー学会、日本小児アレルギー学会、日本喘息学会に所属する日常的に喘息治療に携わる医師を対象としたアンケートを実施、その結果を集計・解析した。COVID-19流行下における喘息診療についての考え、医師の喘息診療形態や患者行動の変容に関する問いについて解析した。医師は外来診療においてネブライザー吸入や定期的な肺機能検査を控えており、また患者による受診控え・不適切治療の増加などを実感していた。実際に患者を診ているかどうかにかかわらず、COVID-19の流行は喘息診療に大きな影響をもたらしている実態が明らかとなった。さらに、診療科や勤務施設、地域など回答医師の背景の違いによる影響についても解析した。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34244105/
Research ArticleAnalysis of SARS-CoV-2 PCR and Chest CT Findings at a Single Facility in Tokyo (Machida Municipal Hospital)
著者名 Kazuyori T, Sato A, Morimoto Y, et al
雑誌名 Pulmonary Medicine
年;巻:頁 2021 Jul 26;2021:6680232.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34336282/
Research ArticleType 1 inflammatory endotype relates to low compliance, lung fibrosis, and severe complications in COVID-19.
著者名 Hasegawa T, Nakagawa A, Suzuki K, et al
雑誌名 Cytokine
年;巻:頁 2021 Jun 7;155618.
Online ahead of print.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34127355/
Research ArticleTransmissibility of COVID-19 depends on the viral load around onset in adult and symptomatic patients
著者名 Kawasuji H, Takegoshi Y, Kaneda M, et al
雑誌名 PLoS One
年;巻:頁 2020 Dec 9;15(12):e0243597.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33296437/
Research ArticleEvaluation of SARS-CoV-2 neutralizing antibodies using a vesicular stomatitis virus possessing SARS-CoV-2 spike protein
著者名 Tani H, Kimura M, Tan L, et al
雑誌名 Virology Journal
年;巻:頁 2021 Jan 12;18(1):16.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33435994/
Research ArticleSARS-CoV-2 RNAemia with a higher nasopharyngeal viral load is strongly associated with disease severity and mortality in patients with COVID-19
著者名 Kawasuji H, Morinaga Y, Tani H, et al
雑誌名 Journal of Medical Virology
年;巻:頁 2021 Aug 19.
Online ahead of print.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34411312/
Research ArticleDetection of SARS-CoV-2 using qRT-PCR in saliva obtained from asymptomatic or mild COVID-19 patients, comparative analysis with matched nasopharyngeal samples
著者名 Ota K, Yanagihara K, Sasaki D, et al
雑誌名 PLoS One
年;巻:頁 2021 Jun 10;16(6):e0252964.
紹介文 目的
唾液は採取が容易であり感染リスクが低いという利点がある。本研究は唾液検体の精度を評価することを目的とした。
方法
長崎港のクルーズ船でCOVID-19のアウトブレイクが発生した。感染後期の無症候性または軽症の患者から、鼻咽頭ぬぐい液と唾液をそれぞれ123検体採取し、SARS-CoV-2 RT-PCRの結果を比較した。
結果
陽性率は鼻咽頭ぬぐい液で19.5%、唾液で38.2%であった(P = 0.48)。ウイルス量(平均±SEMコピー/5μl)は鼻咽頭ぬぐい液で9.3±2.6、唾液で920±850であった(P = 0.0006)。
結論
唾液検体は高い陽性率と有意に高いウイルス量の検出を認めた。唾液は有用な検体として使用できる。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34111203/
Research ArticleQuantifying Absolute Neutralization Titers against SARS-CoV-2 by a Standardized Virus Neutralization Assay Allows for Cross-Cohort Comparisons of COVID-19 Sera
著者名 Oguntuyo K. Y., Stevens C. S., Hung C. T, et al
COVIDAR Argentina Consortium
雑誌名 mBio
年;巻:頁 2021 Feb 16;12(1):e02492-20.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33593976/
Research ArticleSeroprevalence of anti-SARS-CoV-2 antibodies in Japanese COVID-19 patients
著者名 Hiki M, Tabe Y, Ai T, et al
雑誌名 PLoS One
年;巻:頁 2021 Apr 6;16(4):e0249449.
紹介文 本研究においては、症候性COVID-19日本人患者における血清抗SARS-CoV-2IgGおよびIgM抗体解析が、症状発現の14日後にCOVID-19を診断するためのPCRを補完できることを示唆した。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33822809/
Research LetterEffects of surgical masks on droplet dispersion under various oxygen delivery modalities
著者名 Takazono T, Yamamoto K, Okamoto R, et al
雑誌名 Critical Care
年;巻:頁 2021 Feb 27;25(1):89.
紹介文 (背景・目的)COVID-19の呼吸管理のデバイスによるにエアロゾル発生は、医療従事者にとって大きな懸念のひとつである。
(方法)本研究では、健常人での実験において、室内気、経鼻カニュラ、酸素マスク、High flow nasal canula(HFNC)下における飛沫(5μm以上)、エアロゾル(0.5μm以上)の拡散を高感度カメラでの可視化と定量的評価を安静呼吸、発声、咳嗽のパターンで、サージカルマスク着用有無で比較を行った。
(結果)可視化および定量実験において、HFNCを含む酸素デバイス装着により、明らかな飛沫やエアロゾルの増加は認められなかった。また、サージカルマスクの装着により会話、咳嗽時の飛沫、エアロゾル産生量をそれぞれ95%、90%程度減少した。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33639973/
Short CommunicationEfficacy of a novel SARS-CoV-2 detection kit without RNA extraction and purification.
著者名 Fukumoto T, Iwasaki S, Fujisawa S, et al
雑誌名 International Journal of Infectious Diseases
年;巻:頁 2020 Sep;98:16-17
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32599282/
Short CommunicationBCG vaccine may generate cross-reactive T cells against SARS-CoV-2: In silico analyses and a hypothesis
著者名 Tomita Y, Sato R, Ikeda T, et al
雑誌名 Vaccine
年;巻:頁 2020 Sep 22;38(41):6352-6356
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32863070/
Short CommunicationHad COVID-19 spread in the community before the first confirmed case in Nagasaki, Japan?
著者名 Kaku N, Ota K, Sasaki D, et al
雑誌名 Microbes and Infection
年;巻:頁 May-Jun 2021;23(4-5):104812.
紹介文 (目的)
COVID-19の最初の症例が確認されるよりも前に市中での感染拡大が起こっていたのか、またそれが2019-2020シーズンのインフルエンザの流行状況に影響を与えたのかを検証する。
(方法)
長崎県で最初の症例が確認された2020年3月14日以前にインフルエンザ様疾患の症状を呈した成人から採取され冷凍保存されていた鼻咽頭ぬぐい液について、RT-PCR法を用いてSARS-CoV-2の検出を行なった。
(結果)
長崎県の過去10年間と比較して、2019-2020シーズンのインフルエンザ流行期間は短く、流行期は長崎で最初のCOVID-19症例が確認されるより1ヶ月前の2月中旬で終了していた。2019年11月15日〜2020年3月14日に採取された鼻咽頭ぬぐい液182検体では、SARS-CoV-2は検出されなかった。これらの結果から、最初の症例が確認されるよりも前に、COVID-19が市中で感染拡大しインフルエンザの流行状況に直接的な影響を与えた可能性は低いと考えられた。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33781868/
Short ReportReduced Prescription of Baloxavir After Suspected Prevalence of a Baloxavir-Resistant Influenza Virus Strain and the Emergence of SARS-CoV-2 in a Tertiary Hospital in Japan.
著者名 Kamioka Y, Kashiwagura S, Seki M
雑誌名 The Journal of Clinical Pharmacology
年;巻:頁 2020 Aug 21;12:131-134.
紹介文 東北医科薬科大学病院におけるコロナ禍前の2018-2019シーズンとコロナ禍後の2019-2020シーズンにおける抗インフルエンザ薬の処方量と内訳を解析した。2018-2019シーズンは509人の患者に対する処方があり、バロキサビル、オセルタミビル、ラニナミビルのシェアは15、42、31%であった。2019-2020シーズンは205人の患者への処方にとどまり、バロキサビル、オセルタミビル、ラニナミビルのシェアは3、66、12%であった。コロナ禍でインフルエンザ患者が激減したことに加え、バロキサビル耐性株の出現に対して現場医師が慎重かつ世界的に標準薬とされるオセルタミビルの処方を志向したことが示唆された。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32922095/
Short ReportIdentification of patients with COVID-19 who are optimal for methylprednisolone pulse therapy.
著者名 Ro S, Nishimura N, Imai R, et al
雑誌名 Multidisciplinary Respiratory Medicine
年;巻:頁 2021 Jun 30;16(1):781.
紹介文 COVID-19における250 mg/day以上×3日間のメチルプレドニゾロンパルス療法が最適な患者の同定~70歳台後半以上では死亡率が高くステロイドパルス療法が生存に寄与していないが、70歳前半までは全例生存
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34322232/
Technical AdvancesProposal of selective wedge instillation of pulmonary surfactant for COVID 19 pneumonia based on computational fluid dynamics simulation.
著者名 Kitaoka H, Kobayashi H, Takimoto T, et al
雑誌名 BMC Pulmonary Medicine
年;巻:頁 2021 Feb 22;21(1):62
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33618696/
Age and smoking predict antibody titres at 3 months after the second dose of the BNT162b2 COVID-19 vaccine
著者名 Nomura Y, Sawahata M, Nakamura Y, et al
雑誌名 Vaccines
年;巻:頁 2021 Sep 18;9(9):1042
紹介文 国立病院機構宇都宮病院呼吸器・アレルギー内科の研究グループは、新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) に対するファイザー製ワクチン(BNT162b2)の2回目接種を受けた同院の職員を対象に前向きコホート研究を実施。接種から3カ月後のSARS-CoV-2スパイク蛋白に対する抗体価を評価した結果、高齢者や喫煙者で顕著に低下することを明らかにした。ワクチン接種前の禁煙によりワクチンの有効性が改善する可能性がある。また、予備的な研究から、50歳以上の人に対しては6カ月~1年後に本ワクチンの追加接種が必要である可能性も示された。
Efficacy of clarithromycin in patients with mild COVID-19 pneumonia not receiving oxygen administration; protocol for an exploratory, multicenter, open-label, randomized- controlled trial (CAME COVID study)
著者名 Yamamoto K, Hosogaya N, Yoshida N, et al
雑誌名 BMJ Open
年;巻:頁 2021 Sep 21;11(9):e053325
紹介文 酸素投与を必要としない軽症のCOVID-19患者に対する治療戦略は確立されていない。クラリスロマイシンはマクロライド系の抗菌薬で、細菌性の呼吸器感染症に広く用いられ、免疫調整剤としても作用して、インフルエンザなどウイルス性呼吸器疾患に対して抗炎症作用をもつ。本研究では、酸素投与を必要としない軽度のCOVID-19肺炎患者を対象とし、クラリスロマイシンの有効性を検討する探索的、多施設共同、非盲検、無作為化対照試験を計画した。60名(20名×3群)の組み入れを予定し、A群(クラリスロマイシン800mg/日 7日間投与)、B群(クラリスロマイシン400mg/日 7日間投与)、C群(クラリスロマイシンを投与しない標準治療)に1:1:1の割合で無作為に割り付けを行う。本試験は2021年5月に開始し、2022年7月に終了する予定である。主要評価項目は、臨床症状の50%改善に要した日数とし、副次評価項目は、体温回復日数、炎症性サイトカイン、ウイルス量、血清抗体値、末梢血リンパ球、血中バイオマーカー、酸素投与を行った患者の割合、肺炎の進行などである。本研究は、jRCT 071210011として登録されている。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34548368/
Original ArticleCOVID-19が北海道内の病院・診療所に与えた影響に関するアンケート調査
著者名 齋藤充史、千葉弘文、服部健史、他
雑誌名 日本呼吸器学会誌
年;巻:頁 2021;10(3):245-250.
Original ArticleAttenuation of antibody titers from 3 to 6 months after the second dose of the BNT162b2 vaccine depends on sex, with age and smoking risk factors for lower antibody titers at 6 months.
著者名 Nomura Y, Sawahata M, Nakamura Y, et al
雑誌名 Vaccines (Basel)
年;巻:頁 2021, 9, 1500
紹介文 国立病院機構宇都宮病院呼吸器・アレルギー内科の研究グループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) に対するファイザー製ワクチン(BNT162b2)の2回目接種を受けた同院の職員を対象に前向きコホート研究を実施。接種から6カ月後のSARS-CoV-2スパイク蛋白に対する抗体価を評価した結果、3カ月後と同様に高齢者や喫煙者で低下していることを明らかにし、これ等のピーク値への影響が持続している可能性が考えられた。一方で、3-6カ月後の抗体価の減衰率には年齢や喫煙歴は関連せず、性別で有意な関連を認めた。ワクチン2回接種後6か月の時間経過で女性は男性よりも抗体価が低下しやすいことが示された。
Original ArticlePerformance of anti-SARS-CoV-2 antibody testing in asymptomatic or mild COVID-19 patients: A retrospective study in outbreak on a cruise ship
著者名 Kaku N, Nishimura F, Shigeishi Y, et al
雑誌名 PLoS ONE
年;巻:頁 2021; 16 (9); e0257452
紹介文 目的・方法) 無症状および軽症のCOVID-19患者におけるSARS-CoV-2抗体検査の精度を評価することを目的とした。クルーズ船のアウトブレイクで発症した無症状または軽症のCOVID-19患者143名から診断後3週間経過後に採取された血液サンプルを用いて、イムノクロマト(LFA)法およびECLIA法によるSARS-CoV-2抗体検査を実施した。また、ヌクレオカプシドおよびスパイク蛋白に対する抗SARS-CoV-2 IgMおよびIgG抗体の力価をELISAで測定し、LFAおよびECLIAによる偽陰性にどの抗体が影響するのかを確認した。
結果)LFAで検出されたIgM抗体の感度・特異度・陽性適中率・陰性適中率は0.231/
1.000・1.000・0.613、IgG抗体では0.483・0.989・0.972・0.601であった。ECLIAでは0.783・1.000・1.000・0.848 であった。ELISA法で測定したすべての抗体価は,LFA,ECLIAともに抗体陽性患者に比べて抗体陰性患者で有意に低かった.フォローあアップの遺伝子検査で陰性となった患者におけるLFA IgM、LFA IgG、ECLIAの抗体陽性率はそれぞれ22.9%,47.6%,72.4%であった。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34582459/
Original ArticleImpact of the first surge of the coronavirus disease pandemic on general thoracic surgery practices in Kanagawa: a questionnaire survey by the Kanagawa General Thoracic Surgical Study Group.
著者名 Uematsu S, Saji H, Kitami A, et al
雑誌名 General Thoracic and Cardiovascular Surgery
年;巻:頁 2021 Oct 29:1-8.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34714471/

症例報告

Case report and literature reviewDelayed-onset Organizing Pneumonia Emerging after Recovery from Coronavirus Disease 2019: A Report of Three Cases Diagnosed Using Transbronchial Cryobiopsy and a Review of the Literature
著者名 Nakakubo S, Suzuki M, Konno S, et al
雑誌名 Internal Medicine
年;巻:頁 2022 ;61(9):1403-1410.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35249922/
Case ReportTocilizumab and Baricitinib for Recovery From Acute Exacerbation of Combined Pulmonary Fibrosis and Emphysema Secondary to COVID-19 Infection: A Case Report
著者名 Kai Y, Matsuda M, Muro S, et al
雑誌名 Cureus
年;巻:頁 2022 Mar 22;14(3):e23411
紹介文 67歳CPFE(combined pulmonary fibrosis and emphysema)の患者。COVID-19感染後に急性増悪を起こし、TocilizumabとBaricitinib投与が有効であったという症例報告です。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35481309/
Research letterAcute exacerbation of idiopathic pulmonary fibrosis after SARS-CoV-2 vaccination
著者名 Bando T, Takei R, Mutoh Y, et al
雑誌名 European Respiratory Journal
年;巻:頁 2022 Mar 10;59(3):2102806.
紹介文 SARS-CoV-2ワクチンと間質性肺炎急性増悪の関連については更なる検討が必要ではあるが、本論文はワクチンによる間質性肺炎急性増悪の可能性を初めて報告したものである。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35144990/
Case ReportsCOVID-19 mRNA vaccine-related interstitial lung disease: Two case reports and literature review
著者名 So C, Izumi S, Ishida A, et al
雑誌名 Respirology Case Reports
年;巻:頁 2022 Mar 23;10(4):e0938.
紹介文 BNT162b2 (Pfizer/BioNTech)は,COVID-19ワクチンとして有効で安全性が高い.一方で副反応も報告されている.我々はCOVID-19 mRNAワクチンに関連した間質性肺疾患の2例を報告した.67歳男性と間質性肺疾患を基礎疾患にもつ70歳男性が,BNT162b2を接種後に発熱と呼吸器症状を自覚し,当院を受診した.1例は気管支肺胞洗浄および経気管支鏡下クライオバイオプシーを施行した.2例とも副腎皮質ステロイドの投与が奏効し,外来通院が可能となった.COVID-19 mRNAワクチン接種後に全身症状・呼吸器症状が出現した場合,ワクチンに関連した肺傷害の可能性を考慮する必要がある.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35355663/
Case ReportCorticosteroids for hospitalized patients with mild to critically-ill COVID-19: A multicenter, retrospective, propensity score-matched study.
著者名 Ikeda S, Misumi T, Izumi S, et al
雑誌名 Scientific Reports
年;巻:頁 2021 May 21;11(1):10727
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34021229/
Case ReportSuccessful endobronchial occlusion in empyema with broncho-pleural fistula secondary to COVID-19 pneumonia: a case report and literature review
著者名 Nakano T, Kawada M, Minami K, et al
雑誌名 Respirology Case Reports
年;巻:頁 2021 May 26;9(7):e00785
紹介文 COVID-19の経過中に嚢胞が形成され気胸発症に至る症例が報告されています。コロナウイルスに特異的な嚢胞形成の機序として、コロナウイルスが引き起こす炎症によるチェックバルブ機構が推測されています。我々はCOVID-19に続発した有瘻性膿胸に対して気管支充填術を行い気漏の停止を得た症例を経験しました。62歳男性、呼吸状態の悪化にて救急搬送されました。COVID-19と診断され人工呼吸管理を含む集中治療が開始されました。17病日に気胸を発症し胸腔ドレナージがなされました。気胸発症時には右肺中葉に嚢胞を認め、これは初診時には肺嚢胞を認めていないことから治療経過中に嚢胞が形成されたと推測されました。嚢胞に交通する中葉気管支を責任気管支と推測して54病日に気管支充填術をおこない、エアリークの停止が得られました。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34094570/
Case ReportEquivalent SARS-CoV-2 viral loads by PCR between nasopharyngeal swab and saliva in symptomatic patients.
著者名 Yokota I, Hattori T, Shane P. Y., et al
雑誌名 Scientific Reports
年;巻:頁 2021 Feb 24;11(1):4500
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33627730/
Case ReportSARS-CoV-2 detection by fluorescence loop-mediated isothermal amplification with and without RNA extraction.
著者名 Taki K, Yokota I, Fukumoto T, et al
雑誌名 Journal of Infection and Chemotherapy
年;巻:頁 2021 Feb;27(2):410-412.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33214073/
Case ReportA fatal case of COVID-19-associated invasive pulmonary aspergillosis
著者名 Iwanaga Y, Kawanami T, Yamasaki K, et al
雑誌名 Journal of Infection and Chemotherapy
年;巻:頁 2021 Jul;27(7):1102-1107.
紹介文 79歳男性のCOVID-19-associated invasive pulmonary aspergillosis (CAPA)の症例報告です。COVID-19の重症例として人工呼吸管理の上、治療は当時推奨されていた、ステロイド、イベルメクチン、シクレソニドを使用し一旦改善しましたが、その後呼吸状態は増悪、再度人工呼吸管理となりました。気管内採痰から、アスペルギルスを検出、βDグルカン上昇によりCAPAと診断し、抗真菌薬等を投与致しましたが、死亡に至った症例です。報告当時、海外からの報告は散見されましたが、日本人での報告がほとんどなく、今後COVID19の流行と共にCAPAの患者が増えてくることが予想されたため、注意喚起目的で報告致しました。ご参照いただけますと幸いに存じます。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33867266/
Case ReportMonitoring of viral load by RT-PCR caused decision making to continue ECMO therapy for a patient with COVID-19
著者名 Sakamaki I, Morinaga Y, Tani H, et al
雑誌名 Journal of Infection and Chemotherapy
年;巻:頁 2020 Dec;26(12):1324-1327.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32900659/
Case ReportA case of COVID-19 diagnosed with favipiravir-induced drug fever based on a positive drug-induced lymphocyte stimulation test
著者名 Murai Y, Kawasuji H, Takegoshi Y, et al
雑誌名 International Journal of Infectious Diseases
年;巻:頁 2021 May;106:33-35.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33746092/
Case ReportDelayed neutralizing antibody response in the acute phase correlates with severe progression of COVID-19
著者名 Kawasuji H, Morinaga Y, Tani H, et al
雑誌名 Scientific Reports
年;巻:頁 2021 Aug 16;11(1):16535.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34400739/
Case ReportDiscrepancy of SARS-CoV-2 PCR results due to the sample collection sites and possible improper sampling
著者名 Irifune S, Ashizawa N, Takazono T, et al
雑誌名 Journal of Infection and Chemotherapy
年;巻:頁 2021 Oct;27(10):1525-1528.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34294531/
Case ReportHigh-dose, short-term corticosteroids for ARDS caused by COVID-19: a case series.
著者名 So C , Ro S, Murakami M, et al
雑誌名 Respirology Case Reports
年;巻:頁 2020 Jun 4;8(6):e00596.
紹介文 気管挿管された重症COVID-19患者における1000 or 500 mg/day×3日間のメチルプレドニゾロンパルス療法が有効であったという7例のケースシリーズ(Respirology Case Reports誌の2020年最多引用論文として表彰されました)
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32514354/
Case ReportUltrasonic Humidifier Lung as a Mimic of COVID-19.
著者名 Ro S, Imai R, Kitamura A, et al
雑誌名 Respirology Case Reports
年;巻:頁 2021 May 4;9(6):e00761.
紹介文 加湿器肺のCT画像所見はCOVID-19と似ている
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33976890/
Case ReportImprovement of COVID-19 with renal failure and paralytic ileus by using steroids
著者名 Kitamura A, So C, Jinta T
雑誌名 Respirology Case Reports
年;巻:頁 2020 Nov 29;9(1):e00689.
紹介文 重症COVID-19患者(イレウス、腎障害合併)における1000mg/day×3日間のメチルプレドニゾロンパルス療法が有効であったという症例報です
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33282314/
Case ReportNintedanib treatment for pulmonary fibrosis after coronavirus disease 2019
著者名 Ogata H, Nakagawa T, Sakoda S, et al
雑誌名 Respirology Case Reports
年;巻:頁 2021;9(5):e00744
紹介文 症例は78歳女性。COVID-19重症化のため約1か月間の人工呼吸管理を要し、人工呼吸管理離脱後に当科転院となった。当科ではステロイドの漸減とリハビリテーションを継続の上、発症後75日目に、ニンテダニブを併用開始した。酸素化およびADLの改善を認め、発症後192日目で、在宅酸素療法を処方の上、自宅退院となった。重症COVID-19症例は二次性の肺線維化を伴いやすい。同病態に対するニンテダニブの有用性が期待され、さらなる知見の集積が待たれる。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33815804/
Case ReportCOVID-19 mRNA Vaccine-induced Pneumonitis: A Case Report
著者名 Matsuzaki S, Kamiya H, Inoshima I, et al
雑誌名 Internal Medicine
年;巻:頁 2021 Oct 26 in press
紹介文 新型コロナワクチンによる薬剤性肺炎の症例報告です。1回目の新型コロナワクチン(ファイザー製mRNAワクチン)を接種した3日後より発熱と咳嗽および呼吸困難感が出現し、5日後にspO2が88%に低下したため当院外来を受診しました。胸部CT検査で両側肺にすりガラス影や小葉間隔壁の肥厚等の所見を認めて同日入院となり、入院後も低酸素血症と胸部陰影の増悪を認めました。気管支内視鏡検査施行後よりステロイドパルス療法を開始したところ、ネーザルハイフロー療法を導入するまで悪化した呼吸状態も数日で酸素吸入から離脱して胸部陰影も消失しました。ステロイド投与を終了してから2週間以上経過した後に薬剤感受性試験を施行したところ、皮内反応において遅延型の陽性反応を呈したため、皮内反応結果と他の要因を認めない臨床経過からⅣ型アレルギーの機序で発症した新型コロナワクチンによる薬剤性肺炎と診断しました。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34707048/

総説

EditorialLessons from the Nationwide Surveillance of SARS-CoV-2 Surges in Japan.
著者名 Seki M
雑誌名 Japan Medical Association Journal
年;巻:頁 2021 Jul 15;4(3):302-303.
紹介文 国立感染症研究所から報告されたわが国のコロナ波:第1~3波の疫学的解析結果を報告する論文(Arima Y et al. JMA J 2021, 4, 198-205. DOI: doi: 10.31662/jmaj.2021-0043.)に対するEditorial(巻頭言)として執筆させていただいた。第1~3波の感染拡大、重症者増加の特徴が示され、その総合的解析からはSARS-CoV-2は特徴的な二面性のある感染性と病原性を示すことがやはり明らかとなった。すなわち、マスクや手指衛生、いわゆるソーシャルデイスタンスをした場合はほぼ感染していないが、それらの感染対策が緩く、いわゆる3密と呼ばれる状況下ではきわめて高い確率で感染が成立していた。また、子供や若年層ではほとんど重症者、死亡者はいなかったが、高齢者、特に糖尿病など基礎疾患を有する患者では高い確率で重症化していた。今後もPCRなど分子生物学的手法を持ってサーベイランスを継続し、ワクチンをはじめとする感染対策を適切に推し進めていく重要性を示した。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34414330/
Letter to the editorOld drug fluvoxamine, new hope for COVID-19
著者名 Hashimoto Y, Suzuki T, Hashimoto K
雑誌名 European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience
年;巻:頁 2021 Sep 2;1-3.
Online ahead of print.
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34476589/
Review ArticleThe Neutralizing Antibody Response against Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 and the Cytokine/Chemokine Release in Patients with Different Levels of Coronavirus Diseases 2019 Severity: Cytokine Storm Still Persists Despite Viral Disappearance in Critical Patients.
著者名 Tjan L. H., Nagano T, Furukawa K, et al
雑誌名 JMA Journal
年;巻:頁 2021 Jan 29;4(1):1-7
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33575497/
Review ArticleTrends in the management of infectious disease under SARS-CoV-2 era: From pathophysiological comparison of COVID-19 and influenza
著者名 Seki M
雑誌名 World Journal of Virology
年;巻:頁 2021 Mar 25;10(2):62-68.
紹介文 COVID-19およびSARS-CoV-2の病態や日本での現況に関して、特にこれまでのインフルエンザ診療と比較しながら概説した総説である。インフルエンザでは2次性細菌性肺炎が主たる重症化機序となるが、COVID-19ではいわゆるARDS、特にサイトカインストームからのAlveolar floodと形容される著明な肺水腫、そして血管障害からの血栓形成が主たる重症化の要因かもしれない。溺水や敗血症性肺血栓塞栓症に類似した画像や検査値所見が重症例で数多く見られる。これらの病態を念頭においた抗ウイルス薬、免疫調整薬、抗凝固薬を組み合わせた治療法が確立しつつあり、今後はワクチン接種を戦略的に進められるかがコロナ対応の鍵となる。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33816151/
Observational StudyImpact of visceral fat on the prognosis of coronavirus disease 2019: an observational cohort study
著者名 Ogata H, Mori M, Jingushi Y, et al
雑誌名 BMC Infect Dis
年;巻:頁 2021;21(1):1240
紹介文 【背景】肥満がCOVID-19の予後不良因子であるとの報告が相次いでいるが、内臓脂肪量とCOVID-19の予後との関連を検討した報告は些少である。
【方法】COVID-19自験例を対象に、各症例のCT軸位断像を用いて内臓脂肪面積と皮下脂肪面積を推定し、その総和に対する内臓脂肪面積の割合(内臓脂肪割合)を曝露因子とした。エンドポイントはCOVID-19重症化とし、追跡期間は28日間とした。
【結果】COVID-19重症化に対する内臓脂肪割合の多変量調整後ハザード比は1%上昇当たり1.055であった(P値0.049)。対象を内臓脂肪割合で3分位に分けたところ、内臓脂肪割合低レベル群に対する中レベル群、高レベル群の多変量調整後ハザード比はそれぞれ4.72、12.25と高値であった(傾向性P値0.03)。
【結語】内臓脂肪割合高値はCOVID-19重症化の独立した危険因子であった。
PubMedリンク https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34893021/