禁煙のすすめ

タバコについて考えてみませんか

禁煙のしかた~成功に導く禁煙プランのたてかた~

禁煙は、呼吸器疾患の予防や治療に欠かせない、大切な健康管理の方法です。まず、プランをたてながら、じっくり気持ちを固めていきましょう。

1.禁煙への準備

禁煙する理由をはっきりさせる

自分だけの禁煙理由を確認します。動機付けはとっても大切。

周囲の人に禁煙の決心を伝える

つらいときには励ましてもらえます。

吸いたくなる状況を把握し、対策を立てる

イライラしたとき吸いたくなる人は、深呼吸をしてみましょう。

禁煙開始日を決める

禁煙を始める日は、あなたにとって新しい人生のスタートになる日。誕生日や結婚記念日はいかが?

離脱症状対策

依存度が高い人は、禁煙補助薬の準備をしましょう。
離脱症状は、体内からニコチンが抜けていくときに現れる不快な症状です。ピークは2、3日目くらいまでで、禁煙開始後1週間程度で消失します。依存度が高い人は、ニコチンガムやパッチを用いることを考えましょう。

2.タバコ依存度チェック

Q1. 朝起きて、最初のタバコを吸うのは何分後?

a. 5分以内 3点
b. 6~30分 2点
c. 31~60分 1点
d. 60分以降 0点

Q2. 禁煙の指定がある場所でも禁煙するのがつらいですか?

a. はい 1点
b. いいえ 0点

Q3. 1日の喫煙で、どちらがよりやめにくい?

a. 朝の最初の1本 1点
b. その他の1本 0点

Q4. 1日に何本吸いますか?

a. 31本以上 3点
b. 21~30本 2点
c. 11~20本 1点
d. 10本以下 0点

Q5. 起床後数時間のほうが、他の時間帯より多く喫煙していますか?

a. はい 1点
b. いいえ 0点

Q6. 風邪などで寝込んでいる時も、喫煙しますか?

a. はい 1点
b. いいえ 0点

判定

0~3点 依存度低い
あなたの「タバコ依存度」は低いです。そのため、やめたい気持ちが充分に固まっていればタバコとサヨナラできるはずです。
4~6点 依存度中程度
ニコチン依存の離脱症状が妨げとなって、過去に禁煙に失敗している場合、対処法を決めておきましょう。ニコチンガムやパッチも有効です。
7~10点 依存度高い
あなたの「タバコ依存度」はかなり進んでいます。タバコをやめるときには、禁断症状が強くでることを覚悟しましょう。でも、ニコチンガムやパッチの利用すれば、仕事などの日常生活に支障をきたすことなく禁煙に取り組めます。

3.禁煙開始

禁煙実行後は、じょうずに気持ちをコントロールしましょう。

気持ちに踏ん切りをつけ、きっぱり断煙する

本数を減らす方法は失敗のもと。愛用のライターや灰皿を処分する、身近な人と約束をかわす、禁煙宣言書を書くなどの[タバコにサヨナラの儀式]も役立ちます。

なかなかきっぱり断煙ができない人は...

禁煙イベントを利用してみましょう

(例)

  • 「禁煙コンテスト」...財団法人日本予防医学協会(TEL:03-3649-3809)
  • 「5日でたばこをやめる会」...東京衛生病院(TEL:03-3392-6151)など
インターネットを利用すると全国どこからでも、呼吸器科医師の支援を受けられます

(例)

  • 「卒煙ネット」(NTTドコモ/au/Vodafone)...http://www.sotsuen.net/
  • 「禁煙WEBクリニック」...http://www.nifty.com/kinen/
  • その他:禁煙経験者のサイトや健康サイト、製薬会社提供の禁煙プログラムもあります。利用料金や内容の安全性を吟味して選択、利用しましょう。

目標設定は高すぎず、低すぎず小刻みに、成功体験を積み重ねよう

「一生タバコを吸わない」のではなく、「今日一日」から入ってみましょう。翌日には「昨日頑張れたのだから、今日も」というように、目標を少しずつクリアしていきましょう。

つらいときには気をそらす

じっと我慢はヘタなやり方。深呼吸・水を飲む・ストレッチ体操などで気をそらしましょう。

禁煙後に現れる「いいこと」探しのクセをつける

禁煙すると、「呼吸がラクになる」「ご飯がおいしくなる」「からだが軽く感じる」など、メリットはいっぱい。生まれ変わる自分を楽しめるようになったら、禁煙成功まで、あと一歩です。

4.禁煙継続

禁煙を長く続けるためには、「自分の健康は自分で守る」、「セルフマネジメント(自己管理)」という意識が大切です。禁煙で手に入れた「いいこと」を実感しながら、吸わない生活を楽しんでみましょう。

油断は禁物、再喫煙防止

「1本くらいなら、すっても元に戻らないかな」というような気持ちがわいてきたら要注意。これはあなたの心の中に潜む悪魔のささやきです。「ほんの少しなら」「もう大丈夫」など過信せずに、気持ちをしっかりと引き締めましょう。

依存が重い人は、禁煙補助薬を

―ニコチン依存にニコチン製剤が効く―

ニコチン依存のある人では、禁煙すると、吸いたい(喫煙への渇望)、集中できない、イライラする、怒りっぽくなる、眠気が強いなど、さまざまな離脱症状(禁断症状)が現れますが、禁煙補助薬を使うことにより、これらの不快な症状を和らげることができます。(次項に日本で使える禁煙補助薬をお示しします)  
なお、病気治療中の方、妊娠中の方は主治医にご相談ください。

5.日本で使える禁煙補助薬

ニコチンガム

ニコチンを口の粘膜から吸収することで、禁煙時のイライラ・集中困難などの症状を緩和。使用量を徐々に減らすことで無理のない禁煙へ導く。一般用医薬品。

使い方 チューインガム状で、ゆっくりかむことにより、口の粘膜から吸収される。
使用上の注意 不用意に長く使うとニコチンガム依存になることがある。 義歯の人は使いにくい。
主な副作用 口内炎、のどの痛み、はきけ、嘔吐、胸やけ、食欲不振、下痢など。ときに、頭痛、動悸、顎関節症状の悪化。

ニコチンパッチ

皮膚に貼ることでニコチンを補給し離脱症状を緩和。パッチサイズを大から中・小へと小さくしていくことで、無理なくニコチンの量を減らせる。医師の処方せんが必要。

使い方 ニコチンはパッチを貼った部位の皮膚から吸収される。 一日一枚使用する。 3種類のサイズがあり、医師の指示に基づいて、禁煙開始後、段階的にサイズを小さくしていく。
副作用 発赤、かゆみ等の皮膚症状、ときに不眠。