学術講演会演題賞(学術部会賞)選考講演会 学術講演会演題賞(学術部会賞)選考講演会
- AS2 一般人口における末梢血好酸球数とBMI,遺伝子多型との関係―ながはま疫学研究
- 砂留広伸1),松本久子1),出原裕美1),長崎忠雄1),金光禎寛1,2),石山祐美1),森本千絵1),小熊 毅1),伊藤功朗1),田原康玄3),室 繁郎1),陳 和夫1),三嶋理晃1) 京都大学呼吸器内科学講座1),名古屋市立大学呼吸器・免疫アレルギー内科学2),京都大学ゲノム医学センター3)
背景:好酸球増多を伴う肥満喘息例が存在する一方,好酸球/2型炎症性喘息例では非肥満が多く,好酸球数とBMIの関係は不明である.目的:好酸球数とBMIの関係を一般人口において明らかにする.方法:長浜市の一般成人9804人を対象とし,末梢血好酸球数と,BMI・呼吸機能との関連を検討した.網羅的遺伝子解析で同定された好酸球増多関連遺伝子(Eo)多型との関係も含めた.結果:全例解析では好酸球数とBMIは正に相関し,これは性別・年齢・白血球数による補正後も有意であった.一方好酸球高値群(>200/μL,上位25%)に限ると好酸球数とBMIは負に相関した.クラスター解析で得た主な4群中1群(n=1090)に好酸球高値(平均420/μL),BMI正常,Eo多型,気流閉塞例が集積し,これは喘息例を除いても同様であった.結論:一般人口において好酸球数とBMIは正に相関するが,一部に高好酸球・非肥満で気流閉塞を伴いやすい群が存在する.
日本呼吸器学会誌 第6巻増刊号 p.115(2017)