学術部会賞 学術講演会演題賞(学術部会賞)選考講演会
- AS14 看護職における気管支喘息発症に関わるリスク因子の検討
- 倉井 淳,渡部仁成,山崎 章,清水英治 鳥取大学呼吸器膠原病内科
【背景】本邦の看護職における気管支喘息有症率,発症のリスク因子に関する報告はなく詳細は不明である.【方法】我々は山陰地方で勤務する看護職4634名(男性257名,女性4377名)に対してECRHS日本語版調査票を用いた横断的研究を行い,喘鳴症状のリスク因子について検討を行った.【結果】最近12ヶ月の喘鳴を認めた合計723名で期間有症率は15.6% (95% CI: 14.5-16.6%)であった.1年以上の看護職従事歴(OR: 1.95,95% CI: 1.12-3.39),シーツ交換従事歴(OR: 1.64,95% CI: 1.15-2.23),喫煙(OR: 2.01,95% CI: 1.54-2.64),ラテックスアレルギー歴(OR: 1.87,95% CI: 1.56-2.23),BMI30以上(OR: 2.76,95% CI: 1.65-4.62)がリスク因子である可能性が示唆された.【結論】看護職における期間有症率は15.6%で,リスク因子として看護職従事歴,シーツ交換従事歴,喫煙,ラテックスアレルギー歴,肥満が考えられた.
日本呼吸器学会誌 第5巻増刊号 p.139(2016)