会長挨拶
2025(令和7)年4月11日(金)〜13日(日)の3日間、日本呼吸器学会学術講演会 (JRS 2025)を東京国際フォーラムで開催する運びとなりました。
日本呼吸器学会の学術講演会は1961(昭和36)年に第1回が開催され、今回が65回目です。学会の会員数は13,500名を越え、特に、新型コロナウイルス感染症の患者対応では、呼吸器科医の重要性が認識されました。呼吸器疾患は、感染症のほか、気管支喘息、COPD、肺癌、間質性肺疾患などと病態が極めて多岐にわたり、それぞれに困難な問題を抱えています。その中で、各領域における診断・治療は近年着実に進化していますし、さらに発展する勢いです。学術講演会で我々は一堂に会して、これらの最新知見を共有し議論することで、研究開発の化学反応を起こし、新たな診断・治療法を導き、大きく変化することをめざします。
そう、JRS 2025のキーワードは「交流」です。各領域の進化には、それぞれの病気の正体を突き止めなければなりません。正体の解明に向けてさまざまなアイデアをだし、仮説を立ててそれを証明する。議論を交わらせることによって、新しい流れを創る。この仮説とその証明こそが医学研究の神髄です。東京国際フォーラムに集い、皆で議論し、皆で呼吸器の不思議に挑みましょう。そして、呼吸器病学の面白さを若手の皆さんとともに楽しみながら、若い仲間を増やしていきましょう。
我々の日々の診療は、医師だけではなく、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床工学技士、管理栄養士などの多職種の連携のもとに成り立っています。そこで、今回のテーマは「変わる。認める。共創する多様性」としました。
我々は変化し、国内外の関連学会とも協力して、若者や中堅の様々な意見、さらには海外からの意見を取り入れています。若手の研究者や臨床医に活躍の場を提供します。様々な職種の方々にも門戸を常に開放しています。交流して連携することで、学会全体のレベルアップをはかります。その結果は、学会の発展のみではなく、適切な診療に直結し、安心・安全な医療を提供することに繋がるものと信じています。
開催形態は、ライブ配信なしの現地開催で、活気ある賑やかな情報交換の場をめざします。もちろん、会場参加が困難な方々には、プログラムをオンデマンドで聴講ができるようにWeb参加での学習の機会を提供する予定です。
本学術講演会を皆様と共に成功に導きたいと考え、一層のご支援をお願いするとともに、多くの皆様の参加を心からお待ちしています。
第65回日本呼吸器学会学術講演会 (JRS 2025)
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学分野 教授
会長 井上 博雅