お知らせ
新型コロナウイルス感染症 ~緊急事態宣言解除を受けて~
呼吸器学会
新型コロナウイルス感染症 ~緊急事態宣言解除を受けて~
漸くというべきか、早くもというべきか、本日より全都道府県への新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除されるに至りました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について振り返ってみますと、本年1月中旬に本邦1例目が輸入症例として確認、その後、2月中旬から散発的なクラスターの発生、そして3月中旬から各国からの輸入症例の増加とともにリンクの追えない例も増加しました。これを受けて、4月7日に緊急事態宣言が7都府県に発令され、その後、全国に適用拡大されていました。
いまだブラジルなど世界的な流行は続いていますが、今後、日本では外出自粛や休業要請の緩和、学校再開を徐々に進めることになります。勿論、COVID-19が終息したわけではありませんので、今後も密閉、密集、密接の「3密」回避やマスク着用など「新しい生活様式」の定着が図られるものと思われ、私たちにも引き続き影響を与え続けると思います。そして、同時に今後襲来するであろう第2波に備えることになります。
しかし、第2波のCOVID-19がいつどこからどのように、そしてどの程度の規模で拡大するのか、先のことは誰にもわかりません。いまはこれまでの皆様の経験を分かち合い、情報を共有して、よりよい状態で第2波を迎えるべく備えるしかありません。このためにも3月初旬に情報提供の場として開設されたこの頁もさらに充実したものにせねばならないと思います。また、これまで診療のみならず教育や研究にも甚大な影響が出ていますが、本会でも共通の教育ツールを募集・公開し、e-learningの利用促進などを図るなどしているところです。
日本呼吸器学会会員の皆様へのアンケートは継続的にお願いしているところですが、これまで皆様が物資の不足やいわれなき差別など種々のストレスに晒されながらも、多くの病院で第一線に立ち、患者さんのために医療の維持に尽力されてきたことが明らかになっています。呼吸器学会の仲間として、また一人の国民としても、そうした皆様へ敬意と感謝を捧げたいと思います。今後も呼吸器病の専門家としての自信とプライドを持って、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
2020年5月26日
一般社団法人日本呼吸器学会
理事長 横山彰仁
新型コロナウイルス感染症拡大を受けて
日本呼吸器学会 会員 各位
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の世界的流行の兆しの中で、日本においては医療界を含め社会全体での対応が否応なしに求められる状況となりました。すでに、中国からの移送者や、クルーズ船での発生患者さんの対応において、日本呼吸器学会会員の皆様が様々な局面で関与され、日々の診療に努力されておられること心より応援と感謝を申し上げます。
学会として、会員や社会に対してどのような役割を果たせるのかを考えるとき、会員に対しては、新型コロナウイルス肺炎診療や呼吸管理を経験された先生からの知識、課題を学会として共有し、今後の臨床現場で多くの会員に活かしていただくこと、また、社会に対しては科学的で適切な医学情報を提供することであると考えます。すでに、行政機関や感染症関連学会から新型コロナウイルス感染症への管理、治療の情報が提供されていますが、私たちは日本呼吸器学会として必要と考える情報へのアクセスを提供したいと考えています。会員の皆様に対しては、日常診療に役立つ情報コーナーを設け、診療の参考にしていただける仕組み作りを考えています。
新型コロナウイルス感染症がどこまで拡大するのか、先が見えない現状ではありますが、会員の皆様におかれては、科学的情報に基づき、呼吸器診療の社会的役割を果たすべくご努力のほどご協力をお願い申し上げます。
2020年3月2日
一般社団法人日本呼吸器学会
前理事長 長谷川好規