お知らせ
新禁煙宣言2013
新禁煙宣言2013
【2013年12月6日制定】
(序文)
喫煙は肺がん、COPD、気管支喘息など、多くの呼吸器疾患の発症・悪化に関係している。かつ喫煙の悪影響は呼吸器だけでなく全身に及んでいる。さらに、喫煙の健康被害は喫煙者のみならず、受動喫煙にさらされる非喫煙者にとっても大きな問題である。喫煙は単一で予防できる病気と早死にの主要な原因であり、タバコ対策は社会全体の健康推進上欠くことができない。
日本呼吸器学会は1997年に喫煙に関する勧告を公表するとともに、2003年には本学会の喫煙対策の基本方針と行動指針をまとめ、禁煙宣言を行った。その後、2005年2月、国際条約であるタバコ規制枠組条約(FCTC)が発効しており、2013年6月現在までに日本を含む世界の177ヵ国が批准した。しかしながら、日本のタバコ対策は、包括的受動喫煙防止法が制定されておらず、パッケージの警告表示が弱く、タバコの宣伝・販売促進・スポンサー活動・CSR(企業の社会的責任)活動の禁止が不十分であるなど、諸外国と比べるとかなり遅れている。
日本呼吸器学会は、日本政府がFCTCのすべての条項を誠実に実施する国際的義務を速やかに果たすように求めてきた。
今回、私たち、呼吸器医療に携わる者がその専門知識を駆使して、禁煙推進のために努力する決意を新たにするため、新禁煙宣言2013を出すことにした。
基本方針1
日本呼吸器学会は、全会員が非喫煙者であることをめざす。
1-A 本学会専門医は、非喫煙者であることを資格要件とする。
1-B 本学会新規加入者は、非喫煙者であることを資格要件とすることをめざす。
基本方針2
日本呼吸器学会はあらゆる場の全面禁煙化を推進する。
2-A 本学会は、会員が所属するすべての保健医療施設および教育施設の敷地内全面禁煙化を推進する。
2-B 本学会は、他の保健医療施設及び教育施設の敷地内全面禁煙化を支援する。
2-C 本学会は、職場及び飲食サービス施設をはじめとするあらゆる場の全面禁煙化を支援する。
基本方針3
日本呼吸器学会は市民の禁煙を支援する。
3-A 会員は診療と健診の場において、すべての喫煙者に禁煙を勧め、支援する。
3-B 本学会は会員が禁煙支援を行うための資料を提供する。
3-C 本学会は、禁煙指導を行うことのできる医療従事者を育成する。
3-D本学会は、保健医療施設における禁煙外来の設置を支援する。
基本方針4
日本呼吸器学会は、保健医療従事者及び医療従事者をめざす学生への禁煙および禁煙教育を促す。
4-A 本学会は、医療従事者及び学生に喫煙問題に関する系統的な教育を実施する。
4-B 本学会は、医療従事者の資格試験において、喫煙に関する設問を必須とすることを関係各省庁に要請する。
基本方針5
日本呼吸器学会は社会全体の禁煙を推進する。
5-A 本学会は市民に対し、講習会やメディアを通じ禁煙推進に必要な正しい情報を提供する。
5-B 本学会は、保健医療関係の学会や団体と連携し、包括的タバコ対策を推進する。
5-C 本学会は、市民の禁煙推進活動を支援し、タバコ問題に関する正しい情報を発信する。
5-D 本学会は、未成年者の喫煙防止教育ならびに禁煙支援を推進する。