COVID-19 FAQ広場
FAQ広場は、新型コロナウイルス感染症に関する情報交換を目的としており、呼吸器学会員をはじめ医療従事者の方々に幅広くご利用いただきたいと思います。
Q43. 日本におけるSARS-CoV-2ワクチン接種後の副反応のうち、血栓症がどの程度起こっているか教えてください。欧州において血栓症が多く報告されたアストラゼネカ製ワクチンは日本においてどのように取り扱えばよいでしょうか。
ワクチン
回答
第69回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第18回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会からの資料2-1-1(令和3年10月1日)によりますと、ファイザー社、モデルナ社のワクチンはそれぞれ122,789,441回、23,447,233回接種されています。その中で、『血栓』もしくは『梗塞』という文字が入っている病名の有害事象は、それぞれ534件、30件報告されています。すなわち100万回の接種当たりで、それぞれ4件と1件という事になると思います。アストラゼネカ社製のワクチンは日本での投与実績が浅く、まだ日本人でどれぐらいの確率で血栓症が発症しているかは解りません。イギリスの報告では2480万人投与して412名が血栓症になったという報告もあります(100万回の接種当たり15件)。ワクチン接種後の血栓症は『ヘパリン起因性血小板減少症』と病態が似ていると考えられています。アストラゼネカ社製ワクチンによる血栓症は特に若い女性に頻度が高いと報告されているため、厚生労働省は接種対象者を『接種する日に原則40歳以上の方(特に必要がある場合は18歳以上の方)』としています。
(回答日:2021/10/5)