COVID-19 FAQ広場
FAQ広場は、新型コロナウイルス感染症に関する情報交換を目的としており、呼吸器学会員をはじめ医療従事者の方々に幅広くご利用いただきたいと思います。
Q56. オミクロン株において、今まで流行してきたSARS-CoV-2ウイルスと比較して、検体採取部位や抗原検出率、ウイルス量とその持続期間などの特徴と検査の注意点がありましたら教えてください。
検査
回答
PCR検査ではオミクロン株でも、診断用のプライマー部位に変異はなく、感度は変わらないと考えられます。また、抗原検出キットはN(ヌクレオカプシド)蛋白をターゲットとしているため、オミクロン株であっても、感度の大きな低下はないと考えられています。検体採取部位に関しては、唾液よりも鼻咽頭の方がウィルス量が高いという点は自験データからは、従来株と同様であると考えます。ウィルス排泄の持続期間に関しては、オミクロン株では、無症状者において、診断8日目以降に採取された検体では培養で分離されていない(国立感染症研究所 SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査(第3報))ことから従来株よりも排泄期間が短い可能性が指摘されています。また、第1報では、有症状者において、発症後3-6日経過した時期のウィルス量が発症-1から2日までよりもウィルス量が高いことが報告されており、これも発症日前後をピークとしていた従来株とは異なっています。一方、米国からの報告(査読前)では、オミクロン株は、デルタ株よりもピークのウィルス量が少なく、ウィルス検出期間が約1日間(9.87 vs 10.9日)短いと報告されています。(medRxiv preprint doi: https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.01.13.22269257v1)
(回答日:2022/2/5)