COVID-19 FAQ広場
FAQ広場は、新型コロナウイルス感染症に関する情報交換を目的としており、呼吸器学会員をはじめ医療従事者の方々に幅広くご利用いただきたいと思います。
Q24. 第4波のように急激に患者が増加した場合、宿泊療養施設で酸素投与を行うことも念頭に置く必要があると思いますが、実際に行われているのでしょうか。その際の注意点もご教示ください。
呼吸管理
回答
宿泊療養施設もしくは自宅療養されている患者さんで酸素投与が必要になれば入院が原則です。しかしながら病床が逼迫すると入院が容易にできない状態が生じ、そのような際の緊急避難として在宅酸素用機器を用いた酸素投与が行われているのが現状です。保険診療のもとで在宅酸素を開始するにあたっては、カルテの作成と処方の手続きが必要であり、医師による対面での診察が必須です。(診療の手引き第5版 p.34参照)したがってかかりつけ医や地域の診療所、病院から往診を行った上で処方開始し、その後継続か中止かの判断を行うため遠隔診療も含めたフォローアップを行うこととなります。往診の際にはレッドゾーンに入るための感染防御として訪問先入口でのPPE着脱が必要で、中に入るスタッフは最小限にします。また自宅を訪問する際には周囲になるべく目立たないよう配慮します。一般的に酸素投与が必要な場合は合わせてステロイドも投与します。酸素を開始してもさらに低酸素血症の悪化する可能性もあり、患者本人や家族に対して症状増悪やSpO2の更なる悪化時の対応(酸素流量の増加や保健所への連絡など)を説明しておきます。往診時に必要な物品例を示しますと、1) 在宅酸素機器(濃縮器、ボンベ)、2)内服薬、3)個人防護具, 消毒、4)汚染物用の袋、ごみ箱、5)SpO2モニタ、6)連絡用携帯電話×2(室内使用と室外使用)、7)書類(室内持ち込み:事前入手患者情報、医療費案内、HOT同意書、HOT使用案内。室外使用:HOT指示書、往診記録、投薬指示書)などになります。
(回答日:2021/6/12)