COVID-19 FAQ広場
FAQ広場は、新型コロナウイルス感染症に関する情報交換を目的としており、呼吸器学会員をはじめ医療従事者の方々に幅広くご利用いただきたいと思います。
Q7. 中等症、重症例のCOVID-19患者について退院基準は別に考えた方がいいでしょうか
退院・移動基準
回答
中等症、重症例の場合は有症状者の退院基準が適用されます。「重症者では、感染リスクのある期間が他の患者よりも長い」との最新の研究結果を踏まえ、厚労省は人工呼吸器等による治療(人工呼吸器管理又は体外式心肺補助(ECMO)管理による治療)を行わなかった場合は従来の退院基準と同様とし、人工呼吸器等による治療を行なった場合は従来の基準から長めに経過をみて退院とする基準に変更しています。これらは2021年2月25日から適用されています。
参考URL:
https://www.mhlw.go.jp/content/000745527.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/000745526.pdf
【人工呼吸器等による治療を行わなかった場合】(分離)・・・軽症・中等症
1) 発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合
2) 発症から10日間経過以前に症状軽快し、症状軽快後24時間経過した後、PCR検査または抗原定量検査で24時間以上をあけ、2回の陰性を確認された場合
【人工呼吸器等による治療を行った場合】(新設)・・・重症
1) 発症日から15日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過(発症日から20日間経過までは退院後も適切な感染予防策を講じること)した場合
2) 発症から20日間経過以前に症状軽快し、症状軽快後24時間経過した後、PCR検査または抗原定量検査で24時間以上をあけ、2回の陰性を確認された場合
補足説明(エキスパートオピニオン):
- 患者が人工呼吸管理を希望せず、重症(気管挿管の適応がある呼吸不全の状態)であるがNHFCなどを使用して人工呼吸管理をしていない場合は、どのように考えるべきですか?
➔ 人工呼吸器等による治療を行った場合(重症)と同様に考えて対応するべきと考えます。 - 病状が改善傾向でもなかなか酸素がoffできない場合はどのように考えるべきですか?
➔ この場合は「症状軽快」とは言い難いので、「PCR検査または抗原定量検査で24時間以上をあけ、2回の陰性を確認」する基準を適応したほうがよいと考えます。 - 症状のみで退院基準を考える場合、ステロイド使用者にも同様にこの基準を適用させてもよいですか?
➔ 以下のように考えることをお勧めします:
「発症日から10日間(人工呼吸器等による治療を行った場合は15日間)経過し、かつ、ステロイド中止後72時間、発熱もなく呼吸状態が安定していれば退院可能」とする。
(回答日:2021/3/9)