目標
「健康日本21」第3次では、第2次に続いてCOPDの認知度向上を行うことに加え、「COPDの発症予防、早期発見·治療介入、重症化予防」など総合的に対策を講じていくことが必要と示され、令和3年度の統計で人口10万人あたり13.3人のCOPD死亡を令和14年(西暦2032年)には10.0まで減少させる、という新たな目標が掲げられました。
COPDは高齢で併存症を複数有する患者に多くみられ、かつそのようなCOPD患者はより重症で死亡率も高い傾向があります。
本目標の達成には、医療機関、医師会(呼吸内科専門·非専門問わず)、薬剤師会、理学療法士協会、など多職種からなる医療従事者のほか、自治体、関係企業、事業所等なども含めた幅広い立場の人々が、COPDの発症予防、早期発見·治療介入、重症化予防に関する正しい理解を促進し、また、患者さん(未診断の患者を含む)もCOPDに対する正しい理解を促進することが必要不可欠です。
COPDの死亡率(人口10万人当たり死亡数)の推移(予測)と目標
- 1)次期国民健康づくり運動プラン(令和6年度開始)策定専門委員会,厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会,健康日本21(第三次)推進のための説明資料(案)令和5年2月20日資料2,p68
- 2)厚生労働省:令和3年(2021年)人口動態統計(確定数)の概況/統計表/第7表/死因簡単分類別にみた性別死亡数·死亡率(人口10万対)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei21/
COPD死亡率減少の目標
2023年5月31日版(2023年6月8日改定)
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の、平成29(2017)年から令和元(2019)年の3年間におけるCOPDの死亡(2017年:18,525人、2018年:18,577人、2019年:17,836人)から得た近似式(直線回帰)y=346x+716,542 R2=0.6971)を用い、
令和14(2032年)の粗死亡数を予測すると13,470人となる。
令和14(2032年)の日本の総人口 は117,616,000人と推計(国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口(平成29(2017年推計))されることから、以下の計算式にて
令和14(2032)年におけるCOPDの死亡率(人口10万人当たり)は、11.5と予測される。13,470/117,616,000x100,000=11.45
早期発見・治療、増悪抑制等の対策を講じることで、10.0を目指すこととし、これを目標値として設定した。
COPD死亡者数と死亡率
COPD死亡者数の推移
- 1)厚生労働省:健康日本21(第三次) / 令和5年5月 健康日本21(第三次)の推進のための説明資料p.90
( https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001158816.pdf ) - 2)厚生労働省:令和3年(2021年)人口動態統計(確定数)の概況 / 統計表 / 第7表 / 死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei21/
都道府県別COPD死亡率(2021年度)
- 厚生労働省 e-Stat:令和3年(2021年)人口動態調査 / 人口動態統計 / 確定数 / 死亡 / 年次 / 2021年 / 表番号 / 上巻 5-19
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450011&tstat=000001028897&cycle=7&year=20210&month=0&tclass1=000001053058&tclass2=000001053061&tclass3=000001053065&tclass4val=0
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