呼吸器Q&A
Q32. タバコを止めるにはどうすればよいですか?
常習喫煙者は個々により程度の差はあるものの、ニコチン依存症の状態に陥っています。このため、喫煙者がタバコを止めようとすると不快なニコチン離脱症状(タバコ欲しさ・イライラ・不安・集中力の低下・眠気など)が生じ、禁煙の妨げとなります。また、喫煙には習慣性があり、食後や口寂しく感じる・間があく・手持ち無沙汰になるといった状況でついタバコを吸ってしまいます。また、ストレス、コーヒーや飲酒などが喫煙の引き金(トリガー)になります。
禁煙する際には、周囲の人に禁煙を宣言し、禁煙開始日を決定し、キッパリ断煙します。喫煙本数を徐々に減らす・"軽い"タバコや加熱式タバコに変更するといった方法は勧められません。禁煙早期(3日〜7日)のニコチン離脱症状は、禁煙補助薬(ニコチンパッチやニコチンガム)で和らげることができます。喫煙習慣に対しては、喫煙しやすい環境を作らないようにし(環境改善法 例:タバコ製品を処分する、など)、喫煙に結びつく行動パターンを変更し(行動パターン変更法 例:食後にすぐ歯を磨く、など)、喫煙欲求が生じた場合には喫煙の代わりの行動を行い(代償行動法 例:飲み物・飴やガムを摂取する、など)、喫煙のトリガー対策(例:宴会を避ける、など)を行います(これら喫煙習慣に対する治療法を合わせて"行動療法"といいます)。禁煙補助薬(薬物治療)と行動療法(非薬物治療)が禁煙治療の2本柱です(図1)。
ニコチン依存度が低い人(例:喫煙本数20本/日未満、常習喫煙者の約30%)は薬局で購入できるニコチンガムやニコチンパッチを用いて禁煙すると良いでしょう。ニコチン依存度の高い人(例:喫煙本数20本/日以上、常習喫煙者の約70%)は医療機関で禁煙治療を受けることが勧められます(図2)。
なお、加熱式タバコ喫煙者も保険適用の禁煙治療の対象となります。
禁煙のコツに関する詳細な情報は、
禁煙のすすめ(日本呼吸器学会)https://www.jrs.or.jp/citizen/nosmoking/think/method.html)
e-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco)
最新タバコ情報(https://www.health-net.or.jp/tobacco/kinnen/kinen04.html)
くまもと禁煙推進フォーラム(https://square.umin.ac.jp/nosmoke/shiryo.html)
などで入手できます。