呼吸器Q&A
Q19. からだや顔が腫れ(むくみ)ました。
概念
からだや顔がむくむときは、一般的には身体に余分な水分が溜まっていることが原因です。身体がむくむことは誰にでも一度は経験があることと思いますが、むくみがなかなか消えない場合や、むくみが徐々に悪化する場合は、医療機関を受診し原因を調べる必要があります。
むくみの症状
代表的なものとして、足のむくみは一般的に知られていると思います。重力の関係で、身体の余分な水分は足に溜まる傾向があるからです。しかしながら、身体にむくみがある場時は胸に水分が溜まる(胸水)場合や、肺に水分が溜まる場合(肺水腫)があります。その際は呼吸が苦しい、動くと息苦しいなどの症状が出てきますので、早めに医療機関を受診する必要があります。
診断
様々な病気でむくみを認めます。代表的なものを下記に挙げます。
1)心臓の病気:心臓が弱って心不全になっているとき
2)肺の病気:肺が悪く、心臓に負担がかかっているとき
3)腎臓の病気:腎臓が悪く、水分がうまく排泄できないとき
4)肝臓の病気:肝臓が悪く、血液中のタンパク質が少なくなっているとき
5)甲状腺の病気:甲状腺の機能が低下している場合、むくみを認めることがあります
6)がん:肺癌でも顔がむくむことはありますし、様々な癌の手術後にリンパの流れが悪くなり、身体がむくむことがあります
様々な病気でむくみを認める可能性がありますので、適切な検査を受け、原因を調べる必要があります。例えば、心臓や肺の病気がある場合は、まずは胸のレントゲンが必要ですし、腎臓や肝臓、甲状腺の病気の場合は、まずは血液検査が必要となります。
治療
むくみの原因となる病気の治療が必要となります。
一般的には、身体に溜まった余分な水分を排出する薬(いわゆる利尿薬)を使うことが多いです。点滴の薬もあれば、内服薬もあります。短期間だけ使用する場合もあれば、長期間の使用が必要となる場合もあります。
ただし、腎臓や肝臓が悪い場合は血液中のタンパク質が少なくなり、むくみが起きている場合もありますので、その際は身体のタンパク質に対する治療が中心となります。
むくみがあるときは?
一般的な注意としては、むくみがあるときは、身体に余分な水分が溜まっている状態なので、塩分や水分を控えることが必要でしょう。しかし、塩分や水分を控えすぎると脱水の危険が増してしまいますので、やはりむくみの原因を調べる必要はあるでしょう。むくみは一般的な症状ですが、むくみがなかなか消えない場合や、むくみがあり呼吸が苦しい場合は早めにかかりつけ医に相談することが必要です。