呼吸器Q&A
Q16. ゼーゼーする:ときどき息が苦しくなって、息が「ゼーゼー」いうのが分かります。どんな病気が考えられるでしょうか?
「ゼーゼー」するのは何故でしょうか?
私たちが呼吸をするとき、空気を口や鼻から吸い込みます。その空気は喉を通り、気管から気管支を経て、肺に至ります。息を吐くときは、その逆で肺から、気管支・気管を通り、口・鼻から息が出ます。通常、呼吸をするときに聞こえる音は、「スースー」という静かな音です。この空気の通る道筋のどこかで、通り道が狭くなると、「ゼーゼー」や「ヒューヒュー」といった異常な音が発生し、程度が強ければ聴診器がなくても聞こえます。
「ゼーゼー」するとき、どんな病気が多いのでしょうか?
「ゼーゼー」するとき、まず考えるのが、気管支喘息(ぜんそく)です。ぜんそくは、発作が起きますと、気管や気管支が狭くなります。そのため、特に息を吐くときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった笛が鳴るような音が聞こえます。また、タバコを長い期間吸っていた方が、歩行時や小走りをしたときに「ゼーゼー」いうときがあります。このような場合は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼ばれる病気の可能性を考えないといけません。
「ゼーゼー」いうとき、どうすればよいでしょうか?
「ゼーゼー」いう場合、できるだけ早く医療機関を受診することをお勧めします。「ゼーゼー」が、息を吸うときに聞こえるのか、息を吐くときに聞こえるのか、体のどの部分で強いのか、などで、原因の病気は異なってきます。また、「ゼーゼー」が起きる時間帯や、どのようなことをすると悪化するのか、食べ物や薬を飲んだあと生じたか、など、御本人からの情報が大変重要です。もちろん、急に「ゼーゼー」いいだし、また大変息が苦しい場合には、救急疾患の可能性が高い(例えばぜんそくの重症発作)ので、急いで診察を受けて下さい。
治療法はどうなるのでしょうか?
原因疾患によって、対処方法・治療は異なります。もし、ぜんそくと診断されたならば、気管支拡張薬という狭くなった気管支を広げる吸入薬を投与することで、「ゼーゼー」は軽快するでしょう。さらに今後の「ゼーゼー」するような状態を生じさせないために、吸入ステロイド薬という薬を定期的に用います。COPDでは、気管支拡張薬を定期的に使用します。