活動・取り組み

日本呼吸器学会 海外学会参加助成 被助成者一覧

ERS 2024 参加報告書

山口大学大学院医学系研究科
深津 愛祐美

1) 今回ERSに参加した理由

 昨年度、大学院での研究発表のため、同じ呼吸器・感染症内科の先生方とともにERS 2023に参加しました。世界中の呼吸器科医が、最新の研究内容について積極的に意見を交わす様子に大変刺激を受け、臨床および研究に対するモチベーションが高まりました。今年度も参加できればと思っていましたが、参加助成をいただいたおかげで実現することができました。このような貴重な経験をさせていただき、誠にありがとうございました。

2) 発表セッションの感想

 今回私は、「Emerging imaging techniques in chronic diseases and personalized medicine」において、"Association between physical activity and imaging biomarker in asthma: An analysis of distributional differences."という演題を発表しました。幸運にも、Oral presentationの機会をいただきました。本研究は、胸部CT解析によって、喘息患者における予後不良因子である身体活動性低下と関連するイメージングバイオマーカーを明らかにすることを目的としています。以前より、喘息においては末梢気道病変、通称SAD(small airway dysfunction)が重要であるとされています。従来は、スパイロメトリーなどで生理的に障害の程度を評価してきましたが、CTをはじめとした画像検査により、病変の局在を評価することができるようになりました。我々はSADの評価指標の中でも特にAir Trappingに着目して解析を行い、喘息におけるSADと身体活動性低下との関連を明らかにしました。限られた発表時間の中で、英語でいかにわかりやすく研究内容を伝えるかに苦心しました。特に質疑応答では緊張し、難しい場面もありましたが、なんとか内容を伝えることができ、ほっとしています。海外の先生方から直接、自分の研究に対する意見をいただく機会はとても貴重で、有難く感じました。本研究にご協力いただいた、広島大学、島根大学、高知大学ならびに関連施設の先生方に、この場を借りて御礼申し上げます。

3) 参加、聴講したプログラムの感想

 画像研究領域の発表だけでなく、Hot topicsや行動科学、セルフマネジメントのプログラム等も拝聴しました。学会会場は活気に満ちており、最新の知見に触れることができ、大いに刺激を受けました。聞き取りや理解が難しく悔しい場面も多々ありましたが、発表者の先生方は質問に理解できるまで丁寧に答えてくださり、大変勉強になりました。

4) その他Conference以外での体験

 開催地であるウィーンは、想像通り美しい国で、街を歩くだけでも感動を覚えました。また、学会の合間を縫って食べたザッハトルテも感動的でした。これも国際学会ならではの経験であったと思います。

5) 今後参加する若手医師へのメッセージ

 国際学会での発表は勇気のいることでしたが、とても刺激的で、何にも代えがたい経験となりました。私は決して英語が流暢なわけではありませんが、ERSでは母国語が英語でない参加者も多く、そのおかげで安心し、自信を持って積極的に取り組むことができました。ぜひ、国際学会に興味を持っていただければと思います。