活動・取り組み

日本呼吸器学会 海外学会参加助成 被助成者一覧

ATS 2024 参加報告書

東北大学大学院医学系研究科 呼吸器内科学分野
松本 周一郎

 このたび、「日本呼吸器学会 海外学会参加助成 ATS 2024 International Conference」を受賞し、ATS 2024に参加させていただきました。発表演題は「GZMK-expressing Immune Cells in Chronic Obstructive Pulmonary Disease」で、Poster Discussion形式による発表でした。本演題は、私の大学院での学位基礎研究であり、その総まとめとしてATSでの発表を目標に精進して参りました。実はATS 2023にも演題登録をしていたのですが、円安などによる高額な渡航費用のため演題を取り下げせざるを得なかった苦い思い出がありました。今回、本助成によりATS 2024で現地発表の機会を得られたこと、大変有難く、この場を借りて改めて厚く御礼を申し上げます。 私が参加・発表させていただいたセッションは「COPD PATHOGENESIS: OPENING THE PANDORA BOX」というものでした。Poster Discussion Sessionでの発表は初めてでしたが、前半は通常のPoster sessionと同様に自分のポスター前に立って、ポスターを見に来てくださった先生とのdiscussion、後半は座長3名と何人かの発表者が集められて、座長の先生から問いかけられる「COPDと老化について、どう思うか?」といったopen questionについて討論する、といった形式でした。前半のポスター前での発表時間中には、多くの先生方から貴重なご意見を多数いただきました。国内学会と比較して、ポスターを見に来てくださる人数の多さ、そして様々な国や年代の研究者の先生方が参加されていることに、大変驚きました。英語でのdiscussionはかなり不安でしたが、ネイティブの先生が分かりやすい英語で質問してくださったことや、非ネイティブの先生方もそれなりに多かったこともあり、何とかやり遂げることができました。後半の討論パートは、座長からのopen questionに対して、なかなか自分から意見を言うことができず反省が残りましたが、座長のうち1名の先生から私の研究内容について直接ご質問をいただけたことは大変有難く、貴重な経験になりました。
 上記のセッション以外にも、COPD、びまん性肺疾患、感染症領域の基礎研究に関するMini SymposiumやYear in Reviewを聴講しました。どのシンポジウムも座席を見つけることが困難なくらい聴衆が多く、ATSの熱気を肌で感じることができました。さらに、Year Assembly on Respiratory Cell and Molecular Biologyに参加し、ATS Abstract Scholarshipの表彰状を頂戴することもできました。サンディエゴの美しい街並みと青空も、短時間ではありますが堪能することができました。
 今回の大変有意義かつ貴重な経験を糧にして、呼吸器病学の臨床・研究・教育により一層精進して参りたい所存です。そして、様々な国の先生方とdiscussionする機会を得て、共通言語である英語の重要性を改めて認識することができましたので、英語学習にもさらに取り組んで参りたいと思います。
 最後になりますが、今回の発表に際してご指導いただいた杉浦久敏教授、山田充啓先生、沼倉忠久先生を始めとする東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野の先生方、そして本助成に選出いただいた日本呼吸器学会の関係各位の先生方に心から御礼を申し上げます。