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日本呼吸器学会 海外学会参加助成 被助成者一覧

ATS 2024 参加報告書

帝京大学医学部内科学講座 呼吸器・アレルギー学
小林 このみ

まずはこの度、海外学会参加にあたり助成をいただき、誠にありがとうございました。
下記の通りご報告いたします。

1) 今回ATSに参加した理由

 これまで海外において英語で発表するという自身のスキルアップのためにも、年に1回を目標に海外学会に参加して参りました。コロナ禍に入り、久しくのその機会がありませんでしたが、海外渡航の制限も緩和されたこと、また以前から注目していたGalectin-10というタンパク質の喘息のバイオマーカーとしての有用性について、環境保全機構喘息コホートから得た知見について発表できるものがまとまったため、今回ATSに参加いたしました。

2) 発表したセッション

 ポスターディスカッションでは、発表者のポスター閲覧後、座長を交えたディスカッションが行われました。発表したセッションは、喘息に関連した、肥満や酸化ストレスの演題、遺伝子に関連するものなど多岐にわたるセッションでした。同じGalectin-10に関連する演題は、Conferenceを通じてありませんでしたので、ユニークな内容が発表できました。

3) 聴講したプログラムの感想

 喘息の画像評価に関連する演題のポスターディスカッションでは、発表されていた先生方が順にご自身の発表の内容を説明するだけでなく、お互いの発表について議論されていました。その全てを聞き取れた訳ではありませんでしたが、国内学会で一般的な演者に対して質問するという形式とは異なるので、新鮮でした。ポスターセッションでは、喘息の呼気分析を発表されている先生に直接お話を聞くことができ、自分が進めている呼気分析の研究との違いなど知ることができ、大変勉強になりました。
 企業ブースの規模の大きさにも驚きました。今後発売される薬剤のための疾患啓蒙、現在使用できる薬剤についての情報、その他、サンディエゴで撮影された映画トップガンのキャラクターのような方(MRさんでしょうか?)が一緒に写真を撮ってくれる企業があったり、アメリカのユーモアにも触れられました。

4) その他Conference以外の体験

 普段はなかなか直接お話する機会のない他大学や他施設の先生方や、母校の先生方と一緒にお食事をする機会があり、国内学会や研究会とは違う日本人同士の親近感のようなものの中で、フランクにお話していただきとても嬉しかったです。 また、現地のチャージ式公共交通機関カードを購入してトロリーやバスに乗って移動し、スーパーマーケットで買い物をするといった現地の生活体験や、朝早くファーマーズマーケットに出かけ、現地の人たちとお話したり、ウーバーのドライバーと話をするのも大変面白かったです。

5) 今後参加する若手医師へのメッセージ

 海外での学会発表は主に言葉の壁がありハードルが高いもののように感じますが、発表以外にも貴重な体験ができますし、国内の先生方とお話しできる機会もあるので、積極的に参加を検討されるといいと思います。(物価高と円安には驚きますが!)

 以上となります。
今後の診療や研究に取り組むモチベーションが上がる数日間でした。誠にありがとうございました。