活動・取り組み
日本呼吸器学会 海外学会参加助成 被助成者一覧
APSR 2024 参加報告書
東京品川病院 呼吸器内科 医長
聖マリアンナ医科大学 呼吸器内科 研究生
高橋 秀徳
今回、香港で開催されたAPSR 2024に参加しました。海外学会への参加は2015年のATS、2017年のAPSR以来3回目となりますが、長い期間が空いており、新鮮な気持ちでの参加となりました。この間、私は呼吸器認定施設の立ち上げに奔走し、COVID-19パンデミックの最前線で患者対応にあたってきました。病院や地域を守ることができたこと、そして私が立ち上げた施設で後輩たちが専門医取得に励む姿を見ることは、医師としての大きな励みとなっています。
パンデミック中、私は目の前の患者を救うため、各国から発表される重症化の機序や治療法に関する最新の論文を読み込み、日々の診療に取り入れてきました。世界の叡知が集結し、日進月歩で未知の疾患への対抗策が形成されるその様子は、まさに世界中の医療者たちが連携してパンデミックに立ち向かっている姿を示しているようでした。この経験を経て、再び国際学会の場で学びたいという思いが強まりました。
今回のAPSRでは、発表やセミナーに加えガラ・ディナーにも参加しました。会場となったSHANGRI-LAホテルでは、異なる背景を持つ医師たちが国籍や文化の壁を超えて交流し、知識を分かち合っていました。その光景は、まさに私が理想として思い描いていた医療コミュニティそのもので、世界中の知見が集結し、呼吸器学の発展を祝う「理想郷(Shangri-La)」のような空間でした。世界的危機にあっても手を取り合い、ともに乗り越えられる「朋友」が世界中にいることを改めて実感し、医療の未来に向けた強い希望を抱きました。
これから海外学会への参加を考えている若手医師の皆さんへ。海外学会は、日々の臨床や研究の成果を発表する場であると同時に、視野を広げ、志を高める貴重な機会です。こうした場を通じて得られる経験は、自身の成長に大きな糧をもたらしてくれるでしょう。ぜひ積極的に参加し、新たな視点とつながりを得てください。