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国際学会参加報告

American Thoracic Society Conference 2024 - International Resident Boot Camp参加報告

会場:San Diego Convention Center、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴ
日程:2024年5月17日~22日

ATS(American Thoracic Society)からInternational Resident Boot Campへの招待を受け、日本呼吸器学会から1名の先生が参加されました。徐クララ先生の感想をご紹介します。

徐 クララ (聖路加国際病院 呼吸器内科)

聖路加国際病院 呼吸器内科の徐クララと申します。2024年5月17日から18日にかけてサンディエゴで開催されたATS Resident Boot Campに出席しましたので、報告いたします。

ATS Resident Boot Campは、呼吸器内科・集中治療のフェローシップに参加予定の医師を対象にしたプログラムです。講義や少人数でのブレイクアウトセッション、そしてハンズオン形式で実践的なスキルと知識を身に付け、次のステップに進むための自信を養うことを目的としています。また、参加者同士が交流し、互いに学び合える環境も整っています。今年は、全米から選ばれた100名以上の講師陣が参加し、トレイニーはアメリカ国内から152名、その他の国から10名の計162名で構成されていました。プログラムは午前・午後それぞれ異なるセッションが設けられ、約8人の決められたグループで各セッションを回る形式で進行しました。
1日目 (8:00-17:00):人工呼吸器管理、気管支鏡の基本手技、急性呼吸不全の対応などをハンズオン形式で学びました。また、呼吸器内科へのコンサルトやICUでの急変時対応についてケーススタディを行い、呼吸生理や肺機能検査の解釈を小グループで深めました。想定する鑑別や出す検査項目、治療方針の考え方において、国や地域ごとに違いがあることもあり興味深かったです。
2日目 (7:00-16:00):気道管理困難例の対処法、肺エコーと胸膜疾患の評価、気管支鏡による治療、心エコーを用いたショックの評価とマネージメント、胸部CTの読影、ECMOの原理と操作などについて実習を行いました。また、吸入薬の種類や手技を学び、最後にはチーム対抗のゲーム形式で総復習が行われました。

日本からは一人で参加したため不安もありましたが、会場は歓迎ムードに包まれており、活気が感じられました。ディスカッションが必要なセッションではファシリテーターが配置され、ハンズオンではグループを細分化して手技の練習を一人一人が十分に行えるようにするなど、学びやすい環境が整えられていました。朝と昼にはブッフェ形式の食事が提供され、午後にはアイスやお菓子、ティータイムが設けられていました。夕方にはプログラムが終了するため、夜は自由に過ごせる点も魅力的です。ATSへの参加者にはBoot Campの参加費が免除され、さらにチーム対抗戦で優勝したチームには翌年のATS参加費が無料になる特典もあります。

2日間を通して、各分野の専門家から最新のエビデンスに基づいた重要な知識を効率よく学び、同じ科を志望する仲間たちとこれまでの研修や将来について語り合えたことは、とても貴重な経験でした。また、個人的にはアメリカ留学を控えていたこともあり、留学先の先生方やフェローと思いがけず出会えたことも収穫でした。呼吸器内科に興味を持たれている先生方に、ぜひResident Boot Campとその後のATSへの参加をお勧めしたいと思います。

最後に、今回の参加にあたってご支援・ご指導いただきました日本呼吸器学会関係者の皆さま、聖路加国際病院 呼吸器センターの先生方に心より感謝申し上げます。

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