活動・取り組み
DEI委員会
女性医師のキャリアパス
宮脇 英里子 医師公益財団法人がん研究会有明病院/先端医療開発科
2012年3月卒業
呼吸器内科を選んだ理由
研修医時代に根治困難な進行期の肺癌患者さんを担当したことで最期を看取る終末期医療の大切さを感じたことがきっかけで肺癌診療に興味を持つようになり、呼吸器内科を志望しました。
呼吸器内科を選んで良かったこと、やりがいを感じる時
呼吸器内科の中でもがんを専門的に診ています。肺がん領域では新たな治療薬の登場がめざましく医学の進歩を感じることができ呼吸器内科を選んでよかったと思います。日々の診療において患者さんと接する中でもやりがいを感じますし、学会発表や論文作成など学術面でも新たな知見に出会えることでやりがいを感じます。
女性医師としてキャリア形成する上で、気をつけたこと・頑張ったこと
家事・育児の分担を夫としっかりと話し合う、食材の宅配サービス、保育園や休日の託児所、病児保育、ベビーシッターの利用について情報収集を行い積極的に利用する、などと頑張ってきましたが、思うようにはいかず産前の自分自身の働き方と比べて葛藤が大きい状況です。キャリア形成期にライフイベントが重なってしまう歯がゆさについては、どこかで「しかたがないことだ」と納得するしかないと最近は思うようになっています。上司や同僚など周囲の理解や支援が必要であり、今は受け取る側になることが多い時期ですが落ち着いたら恩返しできるようにしようと自分を納得させるしかないのかな...と思っています。
女性医師としてのキャリアを積んできた上で、一番助かったこと
当時の上司が出産後のキャリアパスについて、「労働時間の制約がある中でも専門性を高められる分野」というのを考えてくれたことはありがたかったです。
コロナ禍のためではありましたが学会や会議などがWEB開催やハイブリッド開催となり、学会参加が非常にしやすくなったのは良かったです。
女性医師としてキャリアを積む上で、これから職場・学会等に改善を望むこと
妊娠中から出産後、小さな子供を育てる現在に至るまで産前から環境が大きく変わり、振り返ると辛いことが多かったように感じます。自分のキャリアプランを継続的に一緒に考えてくれる上司やメンター、サポーターがいると助かったかなと思います。また、妊娠・出産の当事者ではない人たちにも何がキャリア形成の問題となっているのか、問題を共有し、解決方法を一緒に考えていくような場ができるといいなと思います。実質的なこととして院内保育、病児保育がもっと充実してくれるといいなと思います。
後輩に対するメッセージ
私は、現在、上の子が3歳で、下の子を今年秋に出産予定です。女性医師は、キャリア形成の時期とライフイベントが重なってしまい、自分自身ではどうしようもできない壁にぶちあたり孤独感や挫折感を味わうことも多々あります。(上の子の妊娠中は重度の悪阻で何もできずずっと横になっている日々もありました...)。そんな時は一人で悩まずに周囲へ相談し助けを求めてください。将来的にはそんな悩みを抱えなくてもいいように、それぞれが、自分自身が働きたい様に働けるような多様なキャリアパスが描けるような未来が来ることを願っています。